こんにちは、あっきーです!
■ストア派とは:ローマ時代哲学の一学派
この本は、ストア派の哲学を、それぞれの人生を見つめ直すきっかけとなり、さまざまな困難や課題を解決する「生き方」を紹介しています。
このブログでは、生きづらい世の中が生きやすくなる哲学を12個紹介します。勉強になった、もっと知りたいと思った人は、コメントをください。
Contents
1.求めると不幸になるもの
それは、欲望を適切にコントロールすることが、幸せか不幸せと直結するからです。
■自分の裁量の範囲内にあるものにだけ、自分の欲望の対象を限定すること
→これが禁欲ということ
地位や名誉、財産など、我々が欲望を向けているものの多くは自分でどうにもできないものが多いです。そのため「自分で変えられるもの」とは言えないです。誰かが羨ましく思っても、その地位や名誉を自分の裁量でどうにかできるわけではないです。
それにも関わらず、他人の成功を見て、自分も目立ちたくなったり、不必要な競争に駆り立てられて自分が苦しむのは間違いなく愚かなことです。真の意味で、自由に生きていくためには、こうした「自分では変えられないもの」にとらわれないことが幸福への近道です。
2.他人に何かを望むのは、馬鹿のすること
エピクテトスの言葉を借りると、自分の大切な誰かにいつまでも生きてほしいと望むのは「馬鹿」だと言います。
それは、自分でどうにかできることと、自分ではどうしようもできないことを混同しているからです。当然、自分がいくら強く願っても、大切な人が永遠の命を得られるわけではないです。
つまり、自分にできないことを願ったところで、その願いが叶うはずではない、ということです。望んで良いこと、それは、「自分ができること」に限った方がいいです。
3.「他人の評価」という泥沼から脱する
世間には人当たりがよく、愛嬌があって、友人に囲まれている人、受賞を重ねる人、地位に恵まれる人がいます。その一方で、その反対に、誤解を招きやすい人、孤独な人、地位に無縁な人もいます。
逆にそうした他人の目や評価にこだわりすぎると、自分の道を見失ってしまいます。他人の評判や評価は自分ではコントロールできないです。他人の評価の中で生きることは、思い通りに動けない泥沼でもがき苦しむようなものです。
自由に生きる唯一の道は、自分自身の意志の中で生きることです。
4.「どう捉えるか」だけが唯一無二の対処法
古代世界は呪術や予言などが多くありました。現代社会でも、占いやおみくじに一喜一憂する人もたくさんいます。日常の生活を振り返ってみても、周囲の状況から漠然とした不安を抱いてしまうことは多いです。
→仕事であれ、人間関係であれ、占いやおみくじで悪い目が出たという「事実」と「仕事がうまくいかないかもしれない」という自分の評価は別物です。
つまり、起こった事実は「自分では変えられないもの」です。自分にはどうしようもできないですが、それをどう評価するかは「自分次第であるもの」と考えています。
出来事に善悪はないです。未来にどんな事態が起ころうが、それは人間の手で左右できることではないので、そもそも欲求の対象にしてはいけないです。
この事実は、どちらが良かったのか?
よく考えれば、これを判定することは難しく、見解は2つに分かれます。
■1つ目は、いつまでも自分の希望に固執すること
→雨が降らなければ遠足に行けたのに、と引きずってしまうことで、失望しか生まれない
■2つ目は、第二希望としての現在を受け入れること
→雨は降ったけど、楽しく過ごすことができた、というもの
事実は1つですが解釈は無限です。悪い事実でもいい解釈をして、プラスな思考に変換してください。
5.目の前の快楽より、日々の小さな苦労
エピクテトスは、ストア派の伝統に従って、悪い感情を「恐怖」「苦痛」「欲望」「快楽」の4つに分類しました。エピクテトスの理想の境地は、「行き過ぎた感情に流されずに、自分を見失わない」ということです。わざわざ快楽を避けるのは、自分の進むべき進路に狂いが生じるからです。
僕たちが苦しみ悩むのは、過度に苦痛で、恐怖に苛まれる時だけではないです。楽しいことから、あえて対象と距離を保つ冷静な態度が求められます。
快楽は、追い求め続けていると、かえって将来により大きな苦痛を背負い込んでしまいます。
6.偏った先入観が、人間関係の悩みを長引かせる
家庭でも職場でも学校でも近所付き合いでも、およそ人間関係のあるところ、相性の良し悪しや好き嫌いが生じます。しかし、苦手な人と共に過ごさないといけない状況も多いです。
▶︎意味:この人と合わなそうだ、と他人の一面を見ただけで簡単にわかったつもりになってはいけない
あなたは、会社の上司や同僚、友人、家族といった身近な存在をどこまで理解していますか?日常的に顔を合わせているからといって、僕たちは何でもわかったつもりになっています。人間関係のもつれを解きほどくために、改めて「この人と私とは、どういう関係か」と自問してみてください。相手に対する先入観を取り払い、改めてお互いの関係を見直してください。
7.過剰な承認欲求が、自分を奴隷に仕立てあげる
愛されたい、好かれたい、気に入られたいという願いは総じて「承認の欲求」です。これは自然な人間の欲求ですが、その願いが叶えられないとき、人は悲しんだり、諦めたり、挫折を味わいながら、人生の冷酷な現実を思い知ります。そして、この欲求が強すぎると、問題が生じます。
仕事でもプライベートでも、他人から誤解され、実態と評判が食い違う場合もあります。しかし、あえてそうした誤解や過小評価に甘んじて、他人にそうみてもらいたいという欲望に身を委ねないことが大切です。
8.他人の振る舞いに対して寛大になる
集合住宅で暮らす住民の間で、日常的なストレスはつきものです。また、夫婦でも家事や育児の見解、友人でも時間や約束など、挙げればキリが無いです。
それは、その行為をした本人が、何を意図していたか、動機や目的が重要です。僕たちは、他人の行動の表面だけ見て、その意図を正確に見抜くことなしに行為の善悪を判断するわけにはいかないです。場合によっては、やむを得ない事情が隠されているかもしれないです。習慣の違いやしつけの問題もあります。いずれにせよ、何らかの「無知」にゆえにそうした不適切な行動が起こったのであれば、そこには考慮すべき事情や改善の余地があります。
まずは、事実判断と価値判断を切り分けて、行為自体ではなく、行為者の意図や動機を考えてください。
9.「不公平」など、実はこの世に存在しない
会社や学校など人間関係のあるところには、同じような立場にあるものと比較して、自分だけが不当に疎まれているのではないか。嫌われているのではいか、差別されているのではないか、と言った被害者意識が生まれることがあります。
→つまり、自分がお土産をもらえなかったのは、もらえた人と同じような行動をとっていなかったから
それにも関わらず、お土産をもらえなかったと嘆く人は、エピクテトスからすれば、貪欲で愚かなものに分類されます。また、エピクテトスは、お土産をもらっていない人についても得られたものがあるとしています。
それは、もし、理不尽に思えるような待遇を受けたとしても、自分や余計なお世辞を言わなくても済んだ、と考えることができるというものです。そうすることで、心が軽くなることにもつながります。
10.最も幼稚なのは、他人を非難すること
事故や失敗など、思いがけず不幸に直面した時に、人は誰しも他人のせいにしたくなるものです。もちろん、責任追求や原因究明が必要な時もあります。
あるできことが幸か不幸かを決めるのは、客観的な事実の側ではなくて、自分がそれをどう評価するにかかっているとしています。事態を冷静に眺めれば、誰かが悪いともいえず、自分自身が悪いかもしれないです。
▶︎大切なこと:やたら他人のせいにするのではなく、当事者として冷静に事実を見つめて、他人も自分も非難しないこと
一旦感情は脇において、事実を事実押して受け止め、慌てて一喜一憂しないでください。
11.年収や財産を自慢しない
僕たちはつい自分では無いものを自慢してしまいがちです。持っているものはすごいかもしれないが、所有している自分がすごいと勘違いしてはいけないです。いくら所有物が素晴らしい価値を持っていても、所有者である自分自身とは別物です。
- 自分自身と切り離せないもの
- 喪失する可能性のないもの
- 自分自身のあり方の一部を構成するもの
エピクテトスは、心像を正しく用いるという能力に焦点を当てています。
自分の、ものの見方に偏見や先入観が含まれていないか、欲望を適切に抑えることができているか、といった心の動きが、自分が得意になっていいものなのです。
12.困難こそが人を成長させる
ストレス社会を生きていると、困難な事態に直面することも多いです。
▶︎管理職であれば:日々の重要な判断を迫られる
▶︎アルバイトであれば:人使いのあらいマネージャーのいる職場が困難な事態
エピクテトスは、辛い仕事をさせられる場合にこそ、自分の中に忍耐心という長所が発見できるといいます。
ただひたすら、不条理な仕打ちに耐えろ、といっているわけではないです。
困難は困難として受け止め、自分には何ができるかを点検します。それが困難な事態に対処するために、自分の能力を探し出すことにつながります。
置かれている状況を冷静に受け止めるというのは簡単ですが、感情に流されやすい人間がすぐにできるものではないです。そのためにも、日常から自分の感情を、あたかも第三者のような目で観察する習慣を身につけてください。そういった日々の自己修正の繰り返しが、困難な局面を切り抜ける力になります。
まとめ
解説は以上です。
少子高齢化の進行や通信技術の急速な発達、グローバル化の波によって、日本も世界も急速に変わっています。その社会の中で「いかに生きるべきか」という問いは切実になっています。こうした課題を考えるための貴重なヒントとして、エピクテトスの残した言葉をご紹介しました。今回の解説が勉強になった、参考になったという人はコメントをください。
この生きづらい世の中で「よく生きる」ために
2.他人に何かを望むのは、馬鹿のすること
3.「他人の評価」という泥沼から脱する
4.「どう捉えるか」だけが唯一無二の対処法
5.目の前の快楽より、日々の小さな苦労
6.偏った先入観が、人間関係の悩みを長引かせる
7.過剰な承認欲求が、自分を奴隷に仕立てあげる
8.他人の振る舞いに対して寛大になる
9.「不公平」など、実はこの世に存在しない
10.最も幼稚なのは、他人を非難すること
11.年収や財産を自慢しない
12.困難こそが人を成長させる
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