早く読めて、忘れない、思考力が深まる 「紙1枚! 」読書法 浅田すぐる

あっきー
こんにちは、あっきーです!

YouTube図書館で動画を配信していると、読書に関する悩みや質問がよく寄せられます。本を読むのに時間がかかる、読んでも内容を忘れてしまう、内容をうまく説明できない、日常に活かせていないなど、多くの悩みがあるようです。YouTubeやブログなどで本の解説を見るのは大事ですが、読書をするのであれば、ある程度自力で本を深く読めるようになる必要があります。 

例えば会議で話題を振られたときに、「以前読んだあの本で学んだはずの内容なのに全く思い出せい」「何日もかけて丁寧に読んだのに、あの時間は何だったんだろう」などと後悔した経験は誰にでもあると思います。しかし、これらの悩みは、紙1枚書くだけで解決することができます。本一冊を15分程度で紙1枚にまとめる。これだけで読んだ本の知識を脳にインプットでき、読書で得た知見を自分なりに解釈して日常で実践することができます。 

わかる、楽しいだけの読書で満足するか。それとも、仕事や人生に活かせる、役立てられる本の読み方を身に付け、今の延長線上にない未来を切り拓いていくか。後者の人はこの動画を最後まで見てみてください。必ずあなたの悩みを解消し、より深い読書体験を得られるようになります。このブログでは、学びを成果に変える方法を6個解説していきます。

参考文献
⬛早く読めて、忘れない、思考力が深まる 「紙1枚! 」読書法(浅田すぐる著 / SBクリエイティブ)
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このブログを見て紙1枚読書法についてよくわかった、本を読むのが楽しみになったという人は、コメントください。

Contents

フレームワークの準備

紙1枚フレームワークはトヨタで使われている紙1枚資料をルーツとした手法です。

トヨタには、仕事上のコミュニケーションは紙1枚にまとめて行う企業文化があり、これが無駄のない効率的な仕事の仕方につながっています。本の内容を紙1枚にまとめる過程で、書籍のテーマやメッセージについて考えることができます。没頭して考え抜いたことは簡単には忘れないです。必要なときに瞬時に思い出し、仕事や人生に活かすことができます。 

モコ
具体的にどうやってやるのかな?
では実際に1枚フレームワークの書き方について解説します。
フレームワークの書き方
必要なもの
・A4サイズの紙
・緑、青、赤の3つのペン
手順
まずは緑のペンを使ってフレームを作成します。
①紙を横向きに置き、緑のペンで十字を切るように線を引く。
②上下を半分に分けるように横線を2本引く。
③さらに横線を4本引いて全体を横に8分割する。
④これができたら 左半分に縦線を引いて左側を2分割し、右半分には3行目から縦線を引く。
⑤必要な情報を記入する。
これで完成。

3つの制約

紙1枚読書法の良いところは3つの制約にあります。

あっきー
ではその「3つの制約」について詳しく見ていこう!

1つ目は「フレーム」です。

先ほど紙1枚読書法の準備としてA4の紙にフレームを書くと説明しました。空っぽのフレームを何個か作っておくと、何とかして枠内に収めようといった意識が自然と強くなります。そのため紙1枚だけでなく、枠内に収めることをさらなる制約にしています。そうすることで深い思考をより意図的に促していきます。また、人には空白を見ると埋めたくなる性質があります。心理的なこの性質を活用するためにまずはフレームを準備する必要があります。 

 

2つ目は「3つの疑問」です。

3つの疑問とはWhat、Why、Howの3種類です。

では問題解決の例を見てみましょう。

問題解決の例

What: 具体的にどんな問題が起きているのか

Why:なぜこの問題が起きたのか

How:どうやってこの問題を解決するのか

他にも読んで何が響いたか、なぜ響いたのか、どう活かすことができるのか、といった問いに変換すれば、そのまま読書に応用できる。

 一般的に言われる5W1Hのフレームワークでは、ほかにもWhenWhereWhoを使いますが、これらは日時や場所人物など、答えをより具体化するときに使う疑問詞です。そのため、 あえて制約を設けるために6つではなく3つの疑問詞を使うようにしています。 
5W1Hとは
「When(いつ)」、「Where(どこで)」、「Who(だれが)」、「What(なにを)」、「Why(なぜ)」、「How(どのように)」の頭文字を取った言葉のこと。

3つ目は、ポイントを3つ前後に絞ることです。

この読書法では、問いへの答えに対して3つの疑問詞を使いポイントをまとめていきます。多少強引であっても、いったんWhatWhyHow 3つに絞ることが大切です。理由は簡単で、ポイントが4つ以上だと思い出せないからです。記憶から自由に引き出さなければ、いざ行動したいと思ったときに意識できないです。

紙1枚読書法の実践

ここでは実際に基本的なフレームワークの使い方を説明します。

テーマは「最近読んで良かった本は?」とします。本の感想について人にわかりやすく説明できるようになるための実践例だと考えてください。 

あっきー
読みながらみんなも一緒にやってみよう!
フレームワークの使い方のステップ
STEP1.日付、テーマ、問いを書く
STEP2.紹介する本を決める
STEP3.3つの質問に答える

ステップ1日付、テーマ、問いを書く。

1番左上のフレームは、緑のペンで日付とテーマを記入する場所です。ここでは、テーマは「本の紹介」と書いておきます。続いて、右上の「Q?」と 書かれたフレームには、目的を達成することにつながるような問いを青ペンで記入します。 テーマは本の紹介なので、問いは「最近読んで良かった本は?」とします。 

 

ステップ2紹介する本を決める。

ここでは紙の左半分を埋めていきます。左半分はメモ欄のように活用します。今回の例で言えば、まずは本の候補をリストアップするところから始めます。左端の1列を使い、候補となる本のタイトルを青ペンで書き込んでいきます。記入が済んだら赤ペンに持ち変え、本を1冊選んでください。人前で話しやすそうな本、聞き手にとって有意義な本、うまくまとめたら成長につながる本などを選ぶと良いです。選んだ本のタイトル を、フレームの右側にある「A?」の欄に赤ペンで書いてください。 

 

ステップ33つの質問に答える。

続いて紙の右下部分を埋めていきます。緑ペンを使って次の3つの問いを記入していきます。 

What・・・何が良かったのか 

Why・・・なぜ良いと感じたか 

How・・・どう活用したか 

毎回この質問文で固定する必要はないです。ポイントは先ほど説明した3つの疑問を解消するような質問にすることです。これを駆使すれば、自分だけでなく第三者にとっても伝わりやすい説明ができるようになります。質問が決まったら、青ペンで各問いの答えを埋めてください。埋める欄は3つずつあります。無理に全て埋める必要はないので、1つや2つで十分なら残りは空欄でもOKです。また、いきなり埋められない場合は、左半分をメモ欄として使ってください。答えの候補となるフレーズやキーワードを本から抜き書きしたり、本を読む中で感じたことや考えたことを自由に書き出せばいいです。 

これで紙1枚のまとめは終了です。ここまでできればすでに思考が整理されているので、人に説明する時もわかりやすく話すことができます。社内での勉強会や朝礼の挨拶、読書会での本紹介、SNSの投稿など様々なところで活用してみてください。

パーパス・リクエスト

先程の例では本を紹介することに焦点を当てましたが、ここでは読書に特化した活用法を説明します。

モコ
いよいよ本題に入るんだね~!

1枚読書法でカギとなる概念は、目的(パーパス)と要求(リクエスト)です。これは読者であるあなたが、本や作者に「自分が知りたいと思っていることを教えて」とリクエストするということに由来します。最大のポイントは、あなたの目的達成につながりそうな記述を本から拾うことにフォーカスすることです。ステップは3つあります。 

紙1枚読書法のステップ
STEP1.目的を達成するための問いを明確にする
STEP2.本を読み目的達成に関係しそうな記述を拾う
STEP3.自分なりの考えをまとめ、目的達成に活用する

ステップ1目的を達成するための問いを明確にする。

まずは緑ペンで1番左上のマスに日付と書籍のタイトルを書きます。次に右上の「Q?」のマスに本を読む目的を青ペンで書きます。読書に正解はないです。そのため目的はあなたが1番しっくりくるものでいいです。 

ステップ2本を読み目的達成に関係しそうな記述を拾う。

目的を達成するための問いが明確になったら、問いの答えが書いてありそうな場所を読んでいきます。

表紙や裏表紙、プロフィール、まえがき、あとがきなど、本文以外の場所に目を通していきます。

一通り目を通したら今度は目次を眺めます。今回設定した問いの答えになりそうなメッセージが、どのあたりに書いてあるのか、できる範囲で構わないのでどこから読んでいくか見当をつけます。 ただし、目次だけでアタリをつけるのは意外と難しいです。その場合は高速で本文を読みます。1ページ1秒くらいのペースでパラパラとめくり、最初から最後までざっとチェックします。これはあくまでも、読む場所のアタリをつけるためにやっています。見出しや太字、図や章のまとめなどを中心に眺め、問いの答えがありそうな場所を探ってください。ここまでを5分程度で済ませます。 

モコ
みんなここまで理解したかな~?

読む場所の見当がついたら、その部分を重点的に読みキーワード拾いを開始します。問いの答えになりそうなキーワードやキーフレーズに出会ったら、紙の左半分にあたるメモ欄を活用します。合計で15個分埋められるので、上から下に青ペンで記入していきます。全て読み終わらなくても15個埋まったらこのステップは終了です。15個もあれば問の答えは十分つくれます。長くても10分以内に収めるようにしてください。 

STEP2.のまとめ
本文以外に目を通す。(表紙や裏表紙、プロフィール、まえがき、あとがきなど)
目次を眺める
⇨今回設定した問いの答えになりそうなメッセージを見つけるため。
読む場所の見当がついたらそこを重点的に読み、キーワード拾いをする
⇨紙の左半分に15個分埋める。
これらを10分以内に終わらせる。

ステップ3自分なりの考えをまとめ、目的達成に活用する。

左半分がある程度埋まったら、 答えをまとめていくプロセスに移ります。ステップ2で拾ったフレーズを駆使し、自分がしっくりくる1行を赤ペンで「A?」のマスに記入してください。そのまま答えが本に載っていればそれを転記したり、いくつかのキーワードを組み合わせて導き出したりします。 

これができたら、右下の3つの疑問を解消していきます。WhatWhyHow3つのクエスチョンを解消するような問いを考え、緑ペンでそれぞれ質問文を記入していきます。後は青ペンで各問いの答えを記入すれば完成です。ステップ3の所要時間は3分から5分程度を目安にしてください。すべてのステップを合わせて15分から20分前後で完了させるイメージです。これで短時間かつ紙1枚書くだけで目的達成型の読書を量産できます。 

モコ
これだけなら僕にもできそう!

3つの選書スタイル

あっきー
モコくん、「読書力」という言葉のほかに「選書力」という言葉があるのを知っているかな?

モコ
あんまり聞かない言葉だな〜!
どういう意味なの?

あっきー
文字通り、「本を選ぶ力」のことだよ。自分の目的にかなった本を選ぶ力のことなんだ。
現代では読書力の他に、この選書力が必要とされているんだ。

モコ
へ~!そうなんだ!

日本では毎年、約7万点の書籍が発刊され続けています。加えて、ここ10年でデジタル端末を活用したオンライン学習も一般化しました。動画、音声、ブログなど、従来の書籍にオンラインコンテンツも加わった令和においては、本を読む能力以前に「選書力」が求められるようになっています。そこで「どの本を読めばいいのかわからない」という悩みにお応えしていきます。まず、本を読む目的は次の3つに分かれます。 

本を読む目的3つ
セレクトA.未知を既知に変えるため
セレクトB.既知をさらなる既知へと強化するため
セレクトC.無知を自覚することで未知を増やすために読む

まず、 セレクトA未知から既知を目的とした本の選び方です。何かわからないことがあり、その不明点を解消するために本を探し選んでいきます。通常、読書の目的として真っ先に思い浮かぶのは、このスタンスだと思います。実際には、少なくともあと2つ目的があり、特に次のセレクトBは要注意です。 

既知から既知の選書とは、同じような内容の本ばかりを選択する傾向のことです。例えば、ある著者のファンになり、気づけばその人の本しか読んでいない状態です。また、大切な教訓が書いてある本に出会って、それをひたすら繰り返して読むといった場合が該当します。特にビジネス書の場合、読んだらおしまいではなく、読み終わってからスタートとなる方が多いです。大切なのはわかって満足するのではなく、身に付けて満足することです。これさえ心がければ、セレクトBも重要な選択肢になります。 

最後はセレクトC、無知から未知の選書です。無知とは、何がわかっていないのかすらわかっていない状態を指します。そんな無知状態を、とりあえず何が不明か明確になった段階、つまり未知のステージまで持っていこう、という動機による選書スタイルです。聞いたこともない言葉は知ろうとすることすらできないです。

最大のポイントは、 答えではなく問いを得るために本を選択する、という点。

現代は、デジタル空間に答えが溢れている時代です。しかし、膨大に存在する答えにアクセスし、未知を既知に変えていくためには、豊富な問いを自分自身で持っておく必要があります。無知を自覚することで疑問が増え、その疑問を解消しようと行動を起こすことができます。 

これら3つの選書スタイルを頭に入れた上で、最近読んだ本をリストアップしてみてください。 そして、それぞれの本について、どの選書スタイルで本を選んだのか、考えてください。もしどれかに偏っている場合は、活用できていない選書スタイルを使って本を選んでみてくださ い。 

読書で自信をつける

自信は3つに分けられます。

1つ目は、時間的自信です。自信は、これまでに積み上げてきた習慣の結果として生じてくるものです。仕事や人生にとってメリットのある行動を繰り返していけば、自然に自信は作られていきます。大切なのは、積み上がっている手ごたえが得られるような読書です。たとえ本をたくさん読んだとしても、内容が頭に入っていなれければ意味がないです。これを防ぐために紙一枚読書法が活用できます。紙一枚読書法を習慣にすれば、あなたの中に学んだことが積み上がり、時間的な自信が生まれてきます。 

2つ目は、空間的自信です。これは「どこに所属しているか」といった居場所を拠り所にした自信です。例えばあなたがサラリーマンであれば、あなたが所属している会社そのものが自信の拠り所になります。そのため、脱サラして独立するとこの自信は消滅します。もし空間的自信があなたの最大の拠り所となっている場合は、独立しても失敗する可能性が高く、注意が必要です。一方、他の2種類の自信でカバーすることはもちろん可能です。空間的自信にだけ頼らないように注意してください。 

3つ目は、人間的自信です。この自信の拠り所は「自分以外の他者からの承認」です。自己完結で持てる自信には限界があります。その限界を超えるには、他者からの信頼が必要で す。読書も仕事も自身も、自分1人では完結しないです。読書でインプットしたことを、他者に アウトプットすることで人間関係をつくることができます。また、インプットした知識は、他者の困りごとにも応用できます。普段から本の内容を紙1枚にまとめることを習慣化し、人に説明できるレベルにまで持っていくことが大切です。1枚読書法を活用して、いつでもアウトプットできるように知識をインプットしてください。

早速今日からやってみよう!

まとめ

最後に、ほとんどの人は自分のために本を読みます。学んだ知識を生かせればその他大勢から抜け出せます。一方、思い通りの人生が歩めるかどうかの鍵を握るのは他者です。だからこそ、世のため人のために本を読み、社会、組織、他者の問題解決に貢献してください。その結果、選ばれる人材として登用され、他者にリードしてもらう側から、他者を導く側に なることができます。 

まずはギブの精神が大切です。リードしてもらう側として本を読むのか、それともリードする側として読むのか、この意識の違いで結果を大きく変わってきます。ぜひリードする側として読書をするようにしてください。今回の解説が勉強になった、読書のモチベーションが上がったという人は、コメントください。

    早く読めて、忘れない、思考力が深まる 「紙1枚! 」読書法
    1. フレームワークの準備
    2. 3つの制約
    3. 1枚読書法の実践
    4. パーパス・リクエスト
    5. 選書のコツ
    6. 読書で自信をつける

    ▼YouTube紹介

    ▼書籍の紹介

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