定年後再雇用、別会社への就職、起業、リタイア。50代には無限の可能性があり、50代の過ごし方で人生が決まる現実があります。一方で世間の50代に対する風当たりは非常に厳しいです。オジサン、オバサン、時代遅れと評され、早期退職の対象とされ、役職定年という壁が立ちはだかります。目の前に大きな可能性が広がる一方で、やりがいを失いモチベーションダウンにつながる現実があります。そのためこの本の著者の大塚さんは50代の「これだけはやっておくべきこと」を集めて本を書きました。
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→会社第一に考えて行動しても、その会社は定年後にあなたの人生を支えないから
50代は会社に尽くさないでください。いっそ開き直ってください。思い切り自分勝手になってください。50代は、長年に渡って染みついた「組織人」としての常識のデトックス期間です。
一方で、自分のやってきたことを総決算し、働いてきた証を残すことも大切です。「いかに会社人生を終わらせるか」が、その後の人生に大きな影響を与えます。50代は、第二の人生の準備をしながら自分の人生の総決算を行う大切な年代と捉えてください。
このブログでは1万人以上のビジネスパーソンへのインタビューを元にまとめられた「50代でこれだけはやっておくべきこと」のうち9個を解説していきます。「50代」を後悔なく生きるための指針にしてください。このブログを見て内容が腑に落ちた、ためになったという人はコメントください。
Contents
自分のやってきたことをどう残すか意識する
例えば、「トラブル対策マニュアル」が挙げられます。「こういった案件はトラブルになりがち」という長年の仕事の勘のようなものを文章化してください。「トラブル対策マニュアル」ならば後進に喜んで活用されます。書くことが難しいなら動画でもいいから、自分の考えを後世に残してください。口で伝えにくいことでも動画になるとハードルが下がります。
- 自慢話を控える
- 基本はあなたが残したいことを残す
- マニュアルに価値があるかどうかは二の次だと思うようにする
自分の知識を体系化することで自分のやる気にもつながり、会社にもプラスになります。50代になったら「会社人間」の終活として自分がやってきたことを残してください。
徹底的に自己分析する
・50代:「自分の原点」を見直すため
若い頃は誰もが夢や希望があったはずです。しかし仕事では自分の希望ばかりが通らないことが多いです。そのような仕事人生を過ごすうちに「自分は一体何をしたかったのか」という問いに答えられなくなる人が多いです。「好きなこと」「やりたいこと」が見つからなければ、残りの人生を有意義に過ごすことは難しいです。心の奥底にある思いが消え去ったわけではないです。自己分析を心のリハビリにして、自分の原点を思い出してください。これから自己分析のために14の質問に答えてください。
1つ目、本当は何がやりたくて、この会社に入ったか教えてください。
2つ目、あなたの強みを教えてください。
3つ目、「強み」の背景にあるエピソードを教えてください。
4つ目、「強み」ほどではないが「できること」を教えてください。
5つ目、あなたの「弱み」を教えてください。
6つ目、あなたの仕事上での「失敗」「挫折」経験を教えてください。
7つ目、最もやる気に満ちて仕事をしていたときについて教えてください。
8つ目、最も仕事に対するやる気を失っていたときについて教えてください。
9つ目、この組織に足跡として何を残したいか教えてください。
10つ目、どんな自分になりたいか未来の目標を教えてください。
11つ目、どんな自分でありたいか現在の目標を教えてください。
12つ目、あなたが今後、ずっと付き合っていきたい人を何人でも教えてください。
13つ目、「自分の寿命があと1年」と告知されたら何をしたいか教えてください。
14つ目、1~13に取り組んで内容分析したときどんなことに気付いたかコメント欄で教えてください。
これらの質問を紙に書いてください。そしてしばしば見返してください。年ごとに書き直して過去の推移と見比べることもおすすめです。自己分析のアウトプットは、自分自身がどういう人間なのか、どこから来てどこに向かうのかを考える上での大切な指針です。
STEP2.年ごとに書き直して見比べる。
60歳までに「5つ以上の居場所」を持つ
「居場所がある」ことはとても重要性なことです。定年後になってはじめて、会社という居場所がどんなに大事であったかに気づく人は多いです。離れてみてはじめて、会社というコミュニティに所属していたことの重要性に気づきます。
出世街道を走ってきた人よりは、そこから早期に脱落した人の方が幸せな定年後を過ごしていることが多いです。その原因の1つがコミュニティです。会社から期待されずに時間ができた人ほど、50代の頃から外部にコミュニティを求めるケースが多いです。
・「非出世組」→人間的に愛されてコミュニティに溶け込みやすい側面もある
だから、50代のうちに所属するコミュニティを増やしてください。定年後に急にコミュニティ探しをするより50代で別のコミュニティを探して属してください。コミュニティの数はできれば5つくらいあることが理想です。
「それぞれのコミュニティで違ったキャラクターを演じること」
(例)
・会社→厳格な上司
・趣味→素直に教えを請う初心者
・地域→気軽に冗談を言う人 etc...
複数のペルソナを使い分けることは、心理学的にも心の健康のために必要なことです。
あなたが今、どんなコミュニティに属しているか、数えてみてください。会社以外のコミュニティとしては、地域、ボランティア、趣味、学生時代の友人、前職の同僚などが挙げられます。属しているコミュニティが5つ未満だったら、今すぐ行動を開始してください。
1つ重要なことは、50代からのコミュニティづくりは、入るのも気軽に、出るのも気軽にということです。人間関係ですから、合う合わないは必ずあります。違和感を抱くようなコミュニティは、結局長続きしません。50代になって人間関係を我慢しないでください。ある程度「自分勝手」になって本当に居心地のいい場所を探してください。
アウェイの中に飛び込む
居心地のいい場所はもちろん大事ですが、あえて「異質の中に飛び込む」ことも大切なことです。
→チームに緊張感が生まれる
・同質的なチームにいるだけ
→心地はよくても刺激はなくなり、緊張感がなくなる。⇨人間としての鮮度が落ちる
50代のコミュニティは居心地のいい場所にといいましたが、5つのうち1つくらいは「完全アウェイ」な場所に入ってください。それによって、自分の鮮度を高めることができます。どんなコミュニティがその人にとってアウェイなのかは、人それぞれです。アウェイだと思って入ったら、ものすごく自分に合っていたということもあります。今までだったら絶対入らなかったようなコミュニティに、あえて入ってみてください。
孤独の楽しみ方を研究する
未婚率や離婚率が高い今、老後を1人で迎える人は増えています。子供は親の元から巣立ち、最後は夫婦2人、そして1人になります。いずれ孤独は訪れます。人間関係のわずらわしさが苦手で、「定年後は1人でゆっくりしたい」と思う人もいます。しかし定年後は長いです。今はわずらわしいと思っている人間関係も、失ってみれば「あのときはにぎやかでよかった」と思います。
コミュニティに参加することで「孤独でない時間」を作ることも重要ですが、多くのコミュニティに入っていても1人のスキマ時間は生まれます。だから、50代からぜひ「孤独を楽しむ習慣」を身につけてください。
- 1人の趣味を増やす
- 孤独な自分に慣れておく裏技:妄想を楽しむ。子供のときは妄想の世界で何時間でも遊んでいられたはず。
50代からは「孤独を楽しむ」習慣を持ってください。
「年下」との人間関係を築いておく
「上司・年上が偉い」という長年の序列は、50代になったらあまり意味を持たなくなります。
・年下=自分が定年するまでずっと付き合う人たち
そしてもう1つ、年下と付き合うべき重要な理由は、年下から新しいことを教えてもらえることです。
例えば、コロナ禍でZoomを取り入れるのは50代より年下の仕事仲間です。営業の世界では次々とデジタルトランスフォーメーションが起きています。時代に合わせて自身の知識やスキルをアップデートするためにも、年下からデジタルスキルを学べるようなフラットな人間関係を築いてください。このとき効果を発揮するのがコミュニティです。特に趣味のコミュニティには幅広い年齢層の人が集うので、若い人との関係を作る良い機会になります。
コミュニティや講座で、年下の人が講師になる機会も多いです。そのため「年下から学ぶ」ことに慣れることが重要です。定年後に再就職したら、上司が年下になることもあります。今からそういった状況に慣れて、定年後の事前準備をしてください。「上司や先輩は、後輩や部下よりモノを知っていなければならない」というプライドは手放してください。その方が年下からも「柔軟性がある人」だと評価されます。常に鮮度のいい情報を手に入れるためにも、若手と積極的につながってください。
税理士、弁護士との関係を作る
50代のうちに「税理士」と「弁護士」と関係を作っておいてください。これまでの人生と違って50代以降は「いざというとき」が起こりやすくなります。例えば、相続です。申告自体は自分でできますが、相続に慣れた税理士に手伝ってもらった方が相続自体にかかるお金が安くなる可能性が高いです。税金を低く抑える方法はいろいろあります。その方法を相談できる相手がいることは重要です。
弁護士も税理士と同じように、「いざというとき」頼りになります。例えば、離婚、近隣トラブル、職場での労働問題などです。専門的なアドバイスをもらえるだけで、心の平穏が取り戻せます。
税理士や弁護士とは、口コミを通して関係を作ってください。
●信頼できる税理士
- 周囲の相続税支払い経験者
- 経営者
- 自営業者からの紹介
勉強する習慣を身につける
定年後を豊かに過ごすために「勉強」が必要です。学び続ける者はいつまでも若い、という名言がありますが、勉強を忘れた人は急速に老けていきます。勉強する習慣を50代のうちに身につけてください。学びのスタイルは多様化しています。教室に通うだけではなくオンラインで学ぶことも方法の1つです。
学びたいことに絶対の正解はありません。学びたいことを学んでください。
→若い頃に学んだことは脳のどこかに残っていて、勉強を再開すると意外なほど鮮明によみがえる。
若い頃に1度頭に入れた分野は上達スピードが格段に速くなります。上達スピードが速いとモチベーションも上がります。
また、50代になると自分の向き不向きも見えてきます。
・人脈や仕事につながる可能性が高くなる
好奇心が赴くままに広く浅くいろいろなことを勉強は悪いことではないです。しかし50歳からは「1つのことを突き詰める」ことをぜひ意識してください。
最後に、環境の変化に対応した学びをしてください。50代は思いもよらぬ環境変化が訪れる時期です。転職や子会社への出向、親の介護などの環境変化は、落ち着いて勉強することのネックになるように思えます。しかしその環境変化を学びのチャンスにする人もいます。転勤先で新しいスキルを身につけることが、その後の人生に大きく役立つこともあります。「時間がないから」「環境が整わないから」という理由で言い訳しないでください。今日からぜひ、学びの習慣を取り戻してください。
アウトドア系趣味とインドア系趣味を両方持つ
定年後に向けて趣味を持つことは大切なことです。定年後の時間を楽しく過ごすには趣味が必要であり、趣味でつながる仲間が必須です。できれば趣味は2つ、タイプの違うものを持っておいてください。それも、アウトドア系とインドア系、両方持っておくべきです。
例えば、スポーツが趣味でも思いがけない病気でできなくなることは十分にありえることです。病気にならなくても、体力や筋力の衰えや身体の痛みが原因で、大好きだったスポーツが楽しめなくなることがあります。若い頃に上手だった人ほど、やめてしまうことが多いです。そのときのために身体を動かさずとも楽しめるインドア系の趣味は持っておくべきです。
反対に、インドア系の趣味しか持っていないと、定年後に引きこもりがちになります。老化は足腰から来るといいます。アウトドアの趣味を持てば自然と外に出ることになり、体力の維持につながります。インドア系の趣味に関しては、「仲間」を作ることを意識してください。仲間がいると外に出るきっかけにもなります。
インドアとアウトドアの両方でお互いにないものを補い合っているんだね。
インドア、アウトドア両方の要素を持つ趣味もあります。例えばお寺巡りです。行政が運営するカルチャーセンターや体育館で開催されている講座に入ってみるのもいいと思います。アウトドアの講座もインドアの講座も幅広くあります。仕事以外の「生きがい」の趣味は、アウトドア系、インドア系の2段構えにしてください。
「会社人生」の上手な終わらせ方
2.徹底的に自己分析する
3.60歳までに「5つ以上の居場所」を持つ
4.アウェイの中に飛び込む
5.孤独の楽しみ方を研究する
6.「年下」との人間関係を築いておく
7.税理士、弁護士との関係を作る
8.勉強する習慣を身につける
9.アウトドア系趣味とインドア系趣味を両方持つ
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