人は、思わぬところから、思わぬほど早い時期から老化が始まります。さらに、それを放って置くと、体も見た目も老けていき、ボケまで始まってしまうので要注意です。この思わぬところとは、「感情」です。
人間の脳は、いくつかの領域に分かれていて、その領域ごとに果たすべき機能が決められています。その中で、人間の感情をコントロールしたり、自発性や意欲、創造性などを司るのが「前頭葉(ぜんとうよう)」という領域です。前頭葉は40〜50代頃から萎縮し、目に見えるように老化し始めます。そのため、前頭葉が司る感情のコントロール機能や、人の自発性、意欲、創造性が衰えてしまうのです。
逆に言えば、前頭葉の若さを保ち「感情の老化」を防げれば、多くのボケ状態も未然に防止できます。体や見た目の老化もストップできるということです。
この本では、「前頭葉の鍛錬」の具体的な方法を、様々な視座から75個紹介していますが、このブログでは、僕が厳選した9個厳選して解説していきます。定年後も自分らしく生きたいと思う人におすすめです。このブログが勉強になった、もっと詳しく知りたいと思った人は、コメントください。
Contents
1.ブログやフェイスブックを始める
ブログやフェイスブックは不特定多数に向けての「公開日記」です。思い出したことを「他の人にもわかるように」書き出すことで、一層「出す力」にも磨きがかかります。
日記はあくまでプライベートのものなので、自分だけがわかればよいのですが、 ブログやフェイスブックは不特定多数の人たちに公開されます。ですから、他人にもわかるような書き方でなければそこに「書き出す」意味もなくなってしまいます。それゆえ、日記よりはるかに言葉遣いや表現に気を遣うことになるので、「表現力=出す力」のトレーニングになります。
多くの人は日常、「考えて文章を書く」という機会はほとんどないと思います。
記憶や考えを書き「出す」作業とは一線を画す。
またビジネス文書や企画書などを書くことはあっても、これらもどちらかというと、定型パターンに従って、資料や文献から必要事項を書き「入れる」作業に近いといえます。
脳のなかの、あちらこちらに散らばった情報や、知識や、記憶を引っ張り出す必要があります。さらに、それらを、他人にも理解できるように書き出さなければならないです。そのように書こうと思うと、最初はそれなりに時間もかかるかもしれないです。ですが、やっているうちに、前頭葉のサビつき部分にも潤滑油が注入され、スムーズに働くようになります。そうなると、おのずと「すらすら思い出せる・書き出せる」ようになります。
2.お金は「使うときには使う」
「老化していく人」ではなく、「いつまでも若い人」になりたければ、「お金をただ、ちまちまと遣う人」になるより、「金遣いの達人」になってください。
現役時代は子供の教育費やマイホームローンに追われて、またリタイア後には年金生活になります。そのことから、「節約しなくては」と多くの人が考えがちです。
しかし、リタイア後にも、ただひたすら節約生活では、脳が刺激されるチャンスはなくなってしまいます。余裕がないからこそ、その限られた「資金」をどう遣えば自分自身や家族がハッピーになれるか?それを前頭葉全開で考えるのです。もしその結果に素晴らしく満足できれば、それが前頭葉には何よりのご褒美になります。ますます張り切って働いてくれるようになり、脳を若く保つことができます。
また、お金は「使うときには使う」ほうがかえって節約になります。普通は「今月は贅沢をしたから来月は引き締めようかな」とおのずとなるものです。一方で、ケチケチ生活で余剰金(よじょうきん)が生まれても「贅沢していないんだからこれくらいは」と、つまらないものにちびちびとお金を遣い、結果的に無駄遣いをしてしまうことはままあることだからです。
→どちらを選ぶかによって「いつまでも若い人」「老化していく人」を分かつ一線になる。
あなたはお金をどのように使っていますか?一度見つめ直してください。
3.なじみの店ばかりに行かない
行きつけの店、行くだけで心安らぐ隠れ家のようなのような店ばかり足を向ける方もいらっしゃるかもしれないです。そのような店に行くのは、老化特有の一種の「引きこもり」状態にあるからです。
経済的に余裕のない若い頃は、「より安く、かつもう少し美味しく飲み食いできる店」を探すのに躍起(やっき)になるものです。
しかし、ある程度余裕が出てくると、そこそこの値段で、そこそこの料理やお酒が飲める 「安心できる店」を見つけます。何度か通ううちにいつしかなじみ客となり、店主や店員とも親しくなり、それなりに特別待遇されるようになると、もう「そこしかない」くらいその店ばかりに足が向くようになります。こういう傾向は、脳の機能からいえば老化特有のある種の「引きこもり」です。そのようななじみの店を持つことは決して悪いことではありませんが、たまには思い切って新しい店にも寄ってみるべきです。もしかしたら、高い割にイマイチの料理やお酒にがっかりということもあるかもしれないです。 店の雰囲気がどうもしっくりこなくて居心地の悪い思いをするかもしれないです。それでも、「失敗してもいい」くらいの気持ちで新規開拓してください。引きこもっていた部屋の扉を開き、新しい店の扉を開き、自分を、脳を解放してあげられるのは、自分自身しかいないです。
4.「これまでどうだったか」より
「これからどうするか」を考える
過去の経験だけで行動をコントロールするのではなく、未来の予測や展望から 「どうするか」を判断してください。
→人は、自分の行動を決めるにあたって、過去の経験だけでなく、さらに未来の予測や展望(てんぼう)を立てて、それを重視しながら判断するという特徴がある。
つまり、「これまでこうだったから、こうする」ではなく、「これまではこうだったが、これからはこうなりそうだから、こうする」という思考です。前頭葉が活発に働いていれば、このように「これからはこうなりそう」という「仮説」を立てることができます。
それにより、「こうなりそうだから、こうする」というシミュレーションを行うことができるというわけです。もちろん、これまでの過去の経験も、未来をつくる 「土台」になることには間違いないです。
→「土台」から「新しい何か」を考え出す力、「これまでどうだったか」より「これからどうするか」という、前頭葉の未来型思考が不可欠
5.若い人と付き合う
「リタイアしたら、一気に老け込む」のは、張り合いのない生活のなかで、老け込みの悪循環に陥る(おちいる)からです。心を若く保てる環境を自ら求め、行動することが大切です。リタイア後に「わずか半年で数年分も老け込んだ」とはよく聞く話です。 リタイア後は、老化が始まると心がしぼんでさらに老け込む悪循環に加速がついてしまうようです。仕事をしていた頃には、たとえ同じことの繰り返しのような毎日であっても、 「張り合い」もあったはずです。
また、時には取引先の人や社内の同僚・部下たちと飲みに行ったりゴルフに行ったり、「それも仕事のうち」とはいっても、その交流を通して何かしらの刺激を受けていました。組織のなかにいれば様々な年代の人との関わりがあり、下の年代との付き合いは心の若さを保つ恰好の機会にもなっていました。勤めていた頃は普通に行動するだけで「心を若く保つ」環境が十分に整っていました。
→ではどうするべきか?
例えば多少お金をかけてファッションに気を配るだけでも、見た目は若くなる。見た目の若さから自信も生まれ、どこかに出かけたくなり、アクティブになれる。
アクティブになれたら、できるだけ「想定外」が起こるような行動を起こすこと。
こうして前頭葉を刺激することで、老け込みの悪循環を断ち、若さを保つ循環が生まれます。若い人と積極的に付き合い、心の若さを保ってください。
6.昔の自慢話はしない
昔の自慢話をするのは、「老化」の現れです。過去の栄光にすがると自己満足に陥り、進歩も発展もなく、向上心を失い、前頭葉を使わなくなってしまいます。
- 「昔は自分もなかなかモテたものだ」
- 「小中学生時代は近所でも指折りの秀才だった」
- 「若い頃は仕事も認められ、出世コースを歩いていた」
などなど、「昔は○○だった」と口癖のように言う人がいます。
厳しいことを言うようですが、こういう人は、今は全くモテなくなり、「昔天才。ハタチすぎればタダの人」になっています。そしてすでに出世街道から外れて窓際族になっているのかもしれないです。 そして、「老化」も相当、進んでいます。この程度の「昔の自慢話」をして根拠のない自信を持ち続けていたほうが、へんに自虐的(じぎゃくてき)になってうつになるよりはよいのかもしれないです。
しかし、それも程度によりけりです。このように、何かにつけて過去の栄光にすがり、それにとらわれすぎると、「それでよし」と満足してしまいます。そして、発展的な発想ができなくなります。
つまり前頭葉を使わなくなってしまうということです。そうすると、思考が偏り柔軟性がなくなり、ますます脳の老化が進んでしまいます。
「昔の自慢話」は古来、老人の専売特許(せんばいとっきょ)と相場が決まっています。過去の栄光など捨ててください。「まだまだ成長できる、上昇できる」という未来に向けた自信を持ってほしいです。そして、新しい栄光を追い求めれば、自ずと気持ちも前向きでいられるはずです。
7.「今どきの若い者は…」を禁句にする
若い頃は、「今どきの若い者は…」と言われて「ふん、年寄りはこれだから」と反発していたことを、忘れてはいませんか?
「戦争を知らない子供たち」と、その前の世代のオトナたちに「異人種(いじんしゅ)」扱いされて育った団塊世代も、今や70代です。若い頃に自らが言われて反発していた「今どきの若い者…」「自分たちが若かった頃は …」という言葉を、ついつい使ってはいないでしょうか?しかし、この言葉は、これから 「禁句」にすべきです。「今どきの若い者は…」と口にするだけでも、知らず知らずのうちに気持ちも脳も老け込んでいきます。この言葉の裏にはやはり、若者と自分とは同じ土俵に立てるわけがない、という感覚があると思います。
しかしそれは、自分自身の老いへの焦りや自信のなさの裏返しでもあるのではないでしょうか?実際、気も見た目も若い人には、「今どきの若い者は」的な発想は見られないです。「若い人としゃべったり飲みに行ったりすると、どうも疲れる」というようなこともないです。そのため、若い人たちとてらいもなく話したり付き合ったりできます。
このように若い人と接点を持つことを常日頃から意識すると、自ずと気持ちも脳も、体も若さを保つことができます。あなたも、ずっと若くいたいのであれば「今どきの若いものは…」という言葉をやめてください。
8.趣味を持つ
年齢や自分の地位や立場には関係なく、自分にとって「好きなもの」「面白いもの」なら、なんでも「趣味」になり得ます。「興味を持つ」という思考習慣こそが大事です。
日々忙しくて趣味にあてる時間もないし、とりたてて趣味がなくても…と考えている人に、 「趣味のある人のほうがうつになりにくい」「リタイア後は趣味のひとつもないと早く老け込む」と言ったところで、「では」とはなかなかいかないものです。特に、趣味といえば芸術鑑賞など高尚(こうしょう)なものでなければ格好がつかないと思っている人。そもそもどんなことを趣味にすればよいのかわからないというような人はなおさらです。
いくつになっても、好きなものは好きなままでいいです。子供の頃に夢中になったミニカー収集を40代、50代、60代になって再開してもよいです。三つ星レストランめぐりでなくても、旨いラーメン屋めぐりでいいのです。週刊誌などでトピックスとしてよく取り上げられる「オトナの趣味」を見ても、「なんでもあり」です。 「ビニ本の歴史」にやたら詳しい文学者もいれば、傍から見れば眉を顰(ひそ)めたくなるようなものもあります。つまり、くだらないことを趣味にしている文化人も意外に少なくないのです。
いろいろなことに興味を持つという思考習慣がある人は、年齢の割若く見える人が多いのですが、要は「何かに興味を持つ」「好奇心を持つ」、そのこと自体が大切です。まだ趣味を見つけられていない人は、なんでもいいので趣味を持ってください。
9.体を使って、鍛えて、衰えさせない
「歳なんだから、もう無理はできない。しないほうがいい」その思い込みが、ますます体と脳を衰えさせます。
歳をとれば、当然体力は落ちます。通勤駅の階段を上るだけで息があがり、「無理して心臓に負担がかかってもよくない」「無駄な体力を使わないほうが若さが保てる」自らにそんな言い訳をしながらエレベーターなどを利用し、体力を温存しようとします。
しかし 「無駄な体力を使わないほうが若さが保てる」というのも、大いなる勘違いです。体を使いすぎて体が老化するということはないです。
・「できない」という思い込みも、老化を進める。
「もう歳だから、走れません」と言っていても、何らかの理由で走らざるを得ないときには、結構全速力で走れたりします。それなのに「歳だから走れない」とブレーキをかけてしまうと、ますます走れなくなってしまいます。体力は若い頃からの習慣にも左右されます。いずれにしても「使って鍛えて衰えさせない」、これが鉄則です。
解説は以上です。このブログで解説した方法を実践すれば、いつまでも若々しく、自分らしく生きられます。脳を鍛えて、老化を食い止めてください。今回の解説が勉強になったという人は、コメントください。
2.お金は「使うときには使う」
3.なじみの店ばかりに行かない
4.「これまでどうだったか」より「これからどうするか」を考える
5.若い人と付き合う
6.昔の自慢話はしない
7.「今どきの若い者は…」を禁句にする
8.趣味を持つ
9.体を使って、鍛えて、衰えさせない
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