「40代、50代で必ずやっておきたい学び直し超入門」 『THE21』編集部著

こんにちは、あっきーです!

あっきー
今後、中高年の学び直しの必要性が高まります。

もこ
中高年のですか?正直、今更な気もしますけど…

➡その背景にあるのは、日本型雇用の崩壊と大リストラ時代の到来、そして日本人の長寿化です。

年功序列や終身雇用を前提とする日本的なメンバーシップ型雇用はすでに限界を迎えて、アメリカ流のジョブ型雇用を導入する企業が増えています。

ジョブ型雇用とは

  • 職務記述書を用いて仕事の内容を明確に定義して、それに合う人を採用するシステムで、報酬は能力と成果で決まる。
  • 高い専門性を持つ人だけが稼げる仕組みで、「私は○○の専門家です」と言えるスキルがなければ仕事を得ることさえできない。

新卒で一括採用されて、人事異動を繰り返して様々な職務を経験しながら、ジェネラリストとして育てられた日本のサラリーマンは、このままでは仕事を失うことになります。

日本でジョブ型雇用を導入している企業はまだ一部であり、40代や50代の人にとっては、どこか他人事のように感じられるかもしれないです。しかし、実はミドル世代の会社員こそ、危機が間近に迫っています。

2025年には団塊ジュニア世代の大半が50代に到達します。つまり、人件費が最も高くなる世代です。企業は人件費削減のため、団塊ジュニア世代を対象とした早期退職や希望退職などのリストラを加速させます。

つまり、学び直しをしないと生き残れない時代がすぐそこまでやってきています。

今回は学び直しをしたいけどどうしたらいいのか分からない人や、学び直しを始めたばかりの初心者の人にとって、学び直しの初歩となるアクションプランを6個紹介します。

このブログがタメになった、参考になった人は是非コメントをお願いします。

Contents

最初の一歩を重く捉えず、今日の「1分」から始める

あっきー
何歳からでも学び直しはできますが、「今さらだ」「必要ない」と答えるミドル世代の人がかなり多いです。

もこ
いや~それはもう、仕方ないんじゃないですかね…新しいこと始めるのって体力いりますし…

そういう人は、「自分の未来なんてもう変わらない」と思っているのかもしれないです。

しかし、未来は誰にも分からないです。今のあなたのまま逃げ切れる保証なんてどこにもないです。

それならいっそ未来を自分の手で変える道を選んだ方がいいです。
学び直しに挑戦すれば、何歳からでも未来を変えることができます。

学びだすと本人はもちろん、その周囲も変わります。

あっきー
直接教えたり、書き残したりすることで、周囲に影響を与えたり、受け取ったりできます。

また、学び直しといっても「数週間で身につくスキルや資格」といったものは、誰でも飛びつくため競争が激しくなりがちです。習得できたとしても、いずれ買いたたかれてしまいます。

むしろ成果が見えにくいものこそ、「自分だけの強み」にできる可能性が高いです。ミドルの人々なら、自分の危険や関心事からテーマを見つける方法があります。

その一例➡「カルテ・クセジュ」という手法
  • まず、あなたの得意なもの、知っていること、自信がある分野、人に教えられることなどを思いつく限り紙に書き出す。
  • そのあと紙を見つめて、関心があるものやもっと学びたいもの、率先して人に教えたいものを四角で囲っていく。
  • そして、四角で囲ったものから、大事そうなものや気になるものをもう一度四角で囲い、二重の四角を作る。
  • 二重の四角ができたら、そのテーマについて辞書や辞典や、ネットで簡単に調べて、周りにどんどん書き出してみる。
  • そして最後に、関連する項目を線で結んで、全体を眺める。その中から最も知りたいものを一つ選ぶと、学ぶべきものとその周辺が見えてくる。

学び直しに興味があるけど、そんな時間はない、人もよくいます。しかし、本当に1分たりともないわけではないはずです。

まとまった時間がないと学ぶのは無理、と考えるのは学習観が狭く凝り固まっています。1分あれば、英単語が一つ覚えられます。これも立派な学びです。

まずは1分、あるいは数十秒でも構わないです。

とにかく学び始めてください。

その1分が10年、20年続く学習につながっていくかもしれないです。やる気が出ない理由は、やっていないからです。

あっきー
どんなに小さな動き出しでも構わないです。まずは最初の一歩を踏み出すことが肝心です。

50歳からはアウトプット型の勉強を重視する

あっきー
50歳前後の人の中には、「これから歳を取るにつれて、記憶力や計算力がどんどん落ちていくのではないか」と不安に感じている人も多いです。

もこ
僕なんてすでに記憶力低下してる気がするのに…50代になるのが心配だ…

しかし現実には、記憶力や計算力の低下よりもはるかに早く起きるのが、前頭葉にかかる能力の低下です。

前頭葉は
  • 興味や関心、自発性、創造性、未知への状況への対応力、感情のコントロール等の機能を司っている。
  • 前頭葉の機能は40代、50代頃から機能の低下がみられるようになる。

筋肉と同じで、前頭葉は使わなければ確実に衰えていきます。意欲も創造性も失った老人になりたくなければ、50歳のうちから前頭葉を鍛えることを意識した勉強のやり方を心がけるべきです。

そのためには、インプットよりもアウトプットを重視することです。インプットだけでは前頭葉は鍛えることができないです。

アウトプットのやり方としては

  • 学んだことを起業や新規事業の提案に活かしていく方法もあるし、学んだ結果をツイッターやフェイスブックに発表していくやり方もある。

学んだことをもとに自分の意見を発表するときに意識してほしいのは、「他の人とは違う独自の視点から分析や解釈を行って、読み手に面白いと思わせる文章」を書くことです。

ほとんどの人は、当たり障りのないことしか書いていないです。独自の視点を持っていないか、持っていたとしても反論が怖くて書かないかのどちらかです。

あっきー
しかし、反論を恐れて無難なことしか言わなければ、面白いと思ってもらうことも前頭葉を鍛えることもできないです。

「これを書いたら、こんな反論がくるから、そのときはこう切り返そう」と想定しながらアウトプットをすることは、前頭葉を思いっきり刺激します。反論がくるぐらいの文章を書いてこそ、意味のあるアウトプットです。

日本人はシニア層に限らず、若い人でも前頭葉を使っていない人が多いです。上から言われたことを忠実に守れる人が評価されてきた文化が続いているからです。

もこ
前頭葉をちょっと使うだけで、周りから一歩抜け出す存在になることは、50歳からでも十分に可能なんだって!

本に線を引いて、必要なものは抜き出す

あっきー
学び直しをするといっても、歴史や経済学といった「教養」をひたすら頭に叩き込んでいけばいいのかというと、それは違います。

もこ
え?ひたすら「教養」を取り入れる以外にどんな勉強法があるんですか?

それを「使える知識」に変えなくてはいけないです。
➡そこで必要になるのが「抽象化」です。

例えば…

  • シェイクスピアの名作「リア王」は、本当に愛するがゆえに率直な物言いをする娘を遠ざけたため、最後は他の娘に城を追われる王の話。

ただ、あらすじを知っているだけでは「使える知識」にはならないです。ここで、「人は年齢を重ねると、耳の痛いアドバイスをする人を遠ざけがち」という抽象化をすれば、組織論に応用できる知識となります。

つまり、ただ読んで覚えるより、「その知識がどう使えるかを考える」ことが重要です。

あっきー
もう一つ大事なことは、「何を学ぶかを決める」ことです。

世の中の情報すべてを学ぶのは時間的にも不可能です。どんなジャンルの知識を深めていくかの「戦略」を最初に立てて、それ以外は思い切って捨てる必要があります。

テーマ選びには2つの方向性が
  • 一つは、「どの分野なら、今後のキャリアに役立つか」、そしてもう一つは「自分はそもそも何に興味があるのか」。
  • しかし、どんなジャンルの知識も必ず自分の仕事に結び付くもので選ぶこと。あなたが面白いと思えることでないと、勉強は長続きしない。

知識を得るのはやはり本がいいです。
本を読む際に、本はノートだと思って、どんどん線や書き込みを入れていってください。読んだ後に振り返って、線を引いた箇所を抜き出して簡単にコメントをいれてみてください。せいぜい15分ほどの作業です。

このようなスキマ時間は探せばかなりあります。

ここで重要なのがアウトプットです。ブログやフェイスブックでもいいので、アウトプットの場を設けることが、抽象化を促します。

読むべき本は必ずしも「古典」である必要はないです。文学やマンガから抽象化してもいいです。

あっきー
「武器としての知識」を手に入れて、この大変な時代を乗り越えてください。

毎日5分振り返る

あっきー
学び直しというと、「新しいことを勉強する」イメージがあります。

もこ
だって新しい勉強しないと意味ないですよね?だから大変なんだよな~

語学力をつけたり、プログラミングスキルを習得するなど、「一念発起して行なう大がかりなイベント」と思っている人が少なくないです。

しかし、40代や50代を迎えている人に有効な学び直しは、「日常的な振り返り」です。

40代・50代であればすでに知識や経験は十分蓄積されています。それに多忙な時期なため、大がかりな知識のインプットは負担が大きいです。

現代において「物知り」であることはさほど意味を持たないです。
より大事なのは「今持っている知識を活用する力」です。その力を鍛えるのが、振り返りです。

これまで社会人として何を経験してきたか、どのようなスキルを獲得してきたのか、棚卸をしてください。毎日5分程度、今日したこと、今できていることを書き出すだけでいいです。いたって簡単ですが、その積み重ねは、今後のキャリアや生き方を確実に変化させます。

振り返りには2つの目的があります。

①これまでに得た経験の抽象化…具体的な経験から学びを抽出して、他の場面でも応用できるようにすることです。

②忘れること…誰しも長年働いていると、一定の価値観にとらわれやすくなります。その結果、発想力や柔軟性が次第に衰えてしまいます。そうなりそうな自分に気付き、固定観念から自分を解放する試みを「アンラーン」と言います。

しかし、今日したことを羅列的に記録するだけでは、効果は期待できないです。

そこでオススメなのは

  • 何らかの学問をガイドにすること。ビジネスパーソンであれば、経済科学や経営学、社会科学系の本を選べば仕事との関連性も高く、役に立つ。
  • まずは書店で、自分の仕事と関係のありそうな本を買ってみる。簡単な入門書で構わない。また全部読み通す必要はない。仕事とかかわりの深い部分だけピックアップすれば十分。
  • 本を読んだ時の感じ方も、10代や20代の頃とは違っているはず。学生時代は理論をインプットするのみですが、年齢を重ねると、経験と結び付けて考えられるようになる。

抽象化と聞くと、難しく聞こえますが、アプローチはシンプルです。

例えば…
  • 過去から現在までに出会った上司について考えてみよう。
  • 個々の上司との間で起こったエピソードや、そこで抱いた思いを整理していく。「見習いたい上司」「反面教師にしたい上司」など、なぜそう思ったのか、それぞれどのような行動や考え方をする人だったのか振り返っていく。

そこにはきっと、あなたの価値観に基づく一定の法則性があります。それを見いだせたら、「自分は上司としてどうありたいか」という、リーダーシップの指針を持つことができます。

あっきー
このように、一見平凡な経験が、優れたコミュニケーションスキルへと変化します。経験を振り返る姿勢が、おのずと学びを生成します。

「自分だけの偏った見解になっていないか?」と不安になることもあると思います。しかし、出来事をどう解釈するか、どんな知恵を導き出すかに正解はないです。

もちろん他者の視点が助けになることもあります。振り返りの「仲間」を作ることはとても有効です。数人で集まって、それぞれの経験や考えを語り合って、お互いにフィードバックするのはオススメです。

自分では気付かなかったあなたの強みに気付かせてもらえることも多々あります。

あっきー
日々小さく振り返りを重ねて、進歩の跡を確かめながら、新しい自分へと歩んでいってください。

「何を・どこで・どうやって」学ぶべきか考える

あっきー
大人の学び直しには、子供の学びとは決定的に違う点があります。

もこ
?子どもよりも内容が難しい…とかですか?

それは、子供の学びが周囲から教えられて、与えられるものであるのに対して、大人の学びは自発的なものです。
➡学ぶ内容や分野も、学ぶ場所や方法も、全て自分で考えないといけないです。

それは、自由である反面、迷子になる可能性もあります。目移りしてしまったり、長続きしなかったり、学びが暮らしに役立たなかったりして、時間とお金が無駄になることも多々あります。

そこで、「何を・どこで・どうやって」学べばいいか、その基準と選択肢を紹介します。

①「好きを活かす」こと…人生の充実と幸福のためには、楽しめることをするのが一番です。そこに「学び」要素をプラスしていけばいいです。好きなことをより詳しく知ることや、今以上に上達することに挑戦してみてください。

②「これまでのキャリアに活かす」こと…新しい分野を一から学び直すのは、年齢を考えると現実的ではないです。これまでに培ったスキルと、うまく掛け合わせられる別分野を探してみてください。

③「心残りを成仏させる」こと…若い頃にやりたくてもやれなかったことが、きっとあるはずです。そうした心残りを成仏させてください。役職定年を迎えて時間ができたときなど、まさに再挑戦のチャンスです。

④「誰かに感謝される」こと…どんな分野であれ、感謝されることはモチベーションを高めます。ボランティアをしたり、地域の活動を手伝ったりすると、誰かの役に立つ瞬間をダイレクトに実感できて、普段の仕事とは違う喜びを得ることができます。

次に、「どこで・どうやって」学ぶかについて

  • すぐに実践できるオススメの方法は、「本を多く読む」こと。
  • 本に書かれていることは、著者の経験や思考の結晶。読書とは、自分の中にインストールする行為。少しでも関心を引かれた本を、何でもいいので手に取って読んでみること。多く読むと、しっくり来る本と来ない本があるのに気付くはず。それもまた、自分の興味の方向性や適性を知る手立てに。

あっきー
「仕事の中で学ぶ」やり方もあります。未経験の仕事や前例のないプロジェクトなどに積極的に挑戦してみる方法です。

年を重ねるごとに、周囲からアドバイスをもらえる機会も減ってきますが、自ら助言を取り入れる環境をつくり、挑戦を学びと結び付けてください。

一つの会社でずっと働いてきた人にオススメしたい学び方は「越境学習」です。社外の勉強会やワークショップ、地域の活動に参加すると、自分の常識が「社内だけの常識」だったことに気が付きます。

会社の看板や肩書が通用しない領域に身を置くことは、苦い経験になるかもしれないです。

あっきー
しかし、その経験こそ、視野を広げる有意義な学びです。

学習効率を最大化する

あっきー
40代や50代になると、「記憶力が落ちた」「頭の回転が遅くなった」と感じることがあります。

もこ
そりゃあ10代、20代とは違いますよね…だって人間ですもん!

これは決しておかしなことではなく、脳科学的に見れば自然な身体の変化です。しかし、人間の脳が素晴らしいのは、外部からの刺激によって変化する力を持っていることです。

勉強などによって脳を使えば、何歳からでも認知機能を維持・向上できる可能性があることが分かっています。

脳の仕組みを踏まえれば、短時間で効率的に学ぶ方法が自ずと絞られます。

オススメは「ポモドーロ法」
  • これは時間を区切って集中する勉強法。
  • まずは目に入ると気が散るスマホやタブレットなどを、勉強する場所から排除。環境を整えたら、「25分勉強して、5分休憩する」を1セットとして実行。
  • 人間の集中力が持続するのは、20分から30分が上限。休憩を入れるのは、脳を休ませることで軽い記憶の固定ができるから。その間はスマホをいじったりせず、リラックスして過ごすこと。

記憶の定着をより高めるには、ポモドーロ法に「復習」を組み合わせるといいです。人間の脳は学習して1日経つと、学んだことの半分近くを忘れてしまいます。記憶を定着させるためには、同じ内容を反復するしかないです。

あっきー
具体的には、25分のうち最初の1~2分で2日前に勉強したことを見直します。

次の1〜2分で昨日勉強したことを見直します。大事なキーワードをざっと確認する程度でOKです。さらに、できれば最後の1〜2分を明日の予習に充てると理想的です。

ちなみに、脳には「現状維持バイアス」があるため、あたらしいことを習慣化するのが難しく、勉強が三日坊主で終わることもよくあります。

それを乗り越えるコツは

  • 最初のステップをできるだけ小さくすること。
  • 25分も勉強に集中できないなら、まずは1日3分から始めてみる。それも難しいなら1日1分でもいい。それも難しければ、机に向かってテキストを開くだけでも構わない。

最初の一歩が小さいほど、脳の中で拒絶反応が起きにくくなります。

物事を習慣化するには2か月程度かかると言われています。2か月続けると「勉強しないと気持ち悪い」状態になります。

あっきー

ぜひ脳のクセを上手に利用して、勉強を習慣化してください。

まとめ

    「40代、50代で必ずやっておきたい学び直し超入門」

    『THE21』編集部著】

    1. 最初の一歩を重く捉えず、今日の「1分」から始める
    2. 50歳からはアウトプット型の勉強を重視する
    3. 本に線を引いて、必要なものは抜き出す
    4. 毎日5分振り返る
    5. 「何を・どこで・どうやって」学ぶべきか考える
    6. 学習効率を最大化する

    ▼YouTube紹介

     

    Twitterでフォローしよう

    おすすめの記事