こんにちは、あっきーです!
年齢に意味はなく、また年齢は挑戦を恐れる理由にはならないです。
この本の著者の出口 治明(でぐち はるあき)さんは、日本生命、ライフネット生命と歩き、生命保険業界から教育業界に転身しました。人生は「捨てる」と「得る」の連続だったそうです。いわば、人生は毎日がトレードオフです。人間の器は小さくても、トレードオフによって何倍にも活かすことができます。
その第一歩が「捨てる」であることは間違いないです。
パンデミックと言われる新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、この社会にとって最も大切なことは何かを考えることになりました。人の命か経済か。限られた資源(時間・お金・労働力)を有効に活用するうえで、短期的に二者択一を迫られる場面もありました。
頭ではわかっていても、実際にはあれもこれもと手を出して、迷い悩んだ末に決断のタイミングを逃してしまい、結局、後手に回るという苦い経験をした人も多いはずです。未来のために、捨てるべきものを潔く(いさぎよく)捨てる。その価値を認めることができれば簡単です。
このブログでは、「捨てる」ことの重要性を、具体的な例を示しながら解き明かします。その中でも、厳選した9個の秘訣をご紹介します。
勉強になった、もっと知りたいと思った人はコメントをください。
Contents
人間は毎日トレードオフに直面している
人生もビジネスにおいても同じことです。その真髄を言い当てているのは、晩唐(ばんとう)の詩人・李商隠(りしょういん)の話です。「分かれ道に立って、いま、一つの道を選べばもう一つの道が選べなくなる。それが悲しくて涙が滂沱(ぼうだ)と流れるのです。」というものです。
これは、岐路(きろ)に差しかかった時、右の方向に進もうとすれば、左の道を進むことは永遠にできないです。
何か一つを得ようとするとき、人は必ず何か一つを失います。日常生活においても、このようなトレードオフの場面が頻繁にあります。新型コロナウイルス感染拡大で、私たちはいまだかつて経験したこととのないトレードオフに直面しました。ステイホームです。これには3つの問題がありまし
た。
1つ目は、世界中の人々が外出できなくなり、それまでの日常生活を奪われました。国としても、市民にどう折り合いをつけてもらうのかが問われました。
2つ目は、ステイホームには条件があるということ。エッセンシャルワーカーである医療従事者、スーパーのスタッフ、ごみ収集などの仕事に関わる人たちは、同じ市民なのにステイホームができないです。
3つ目は、国の所得再分配政策を、いかに現実的に実行するかということ。ステイホームは、極論すれば仕事を捨てるのと同じです。移動自粛と経済自粛はセットで行われなくては、生活は成り立たないです。全ての業種にテレワークを導入できるわけではないので、テレワークができない業者の人たちのステイホームは、必然的に収入減につながります。
▼何か一つを得ようとするとき、人は必ず何か一つを失う
- 世の中で起こることのすべては、トレードオフの関係。トレードオフとは、一方を尊重すればもう一方が成り立たない状態のこと。何かを得ようとすれば、何かを捨てなくてはならない。人生もビジネスにおいても同じこと。
- 何か一つを得ようとするとき、人は必ず何か一つを失う。日常生活においても、このようなトレードオフの場面が頻繁にある。
トレードオフとは優先順位を見極めること
生命保険会社(現ライフネット生命)を創業することを決め、当時の上司に伝えた時の話です。そのとき上司から、社宅での安定した暮らしや福利厚生など正社員としての手厚い待遇について問いかけられました。そこで、未練を感じていたら、現在はなかったようです。
その後、出口 治明(でぐち はるあき)さんが、古希(こき)を迎えたこともありライフネット生命において、取締役を退任していました。しかしながら、会社をすぐに離れるつもりはなく、創業者として2、3年は広報や人材育成に関わる考えを持っていました。
その最中、アジア太平洋大学(APU)という学校において、「博士号(はかせごう)を持っていること」「英語が堪能であること」「大学での教育・運営経験があること」の3つの条件を満たす学長を探していました。
出口治明(でぐち はるあき)さんは、気軽な気持ちで学長として手を挙げ、面談をしました。その後、忘れかけていたころに、学長就任決定の連絡をもらったそうです。
その時、とるべき選択肢は、学長を辞退してライフネット生命に留まる(とどまる)か、ライフネット生命を退社して学長になるかの二つです。「まさか選ばれるとは思っていなかったので」という道理は通らないです。結果として、70歳にして保険業界から畑違いの教育業界へと転職することになりました。
ぜひ、トレードオフで選択する時には優先順位を見極めてください。
▼トレードオフで選択する時には優先順位を見極めること
- この本の著者である出口 治明(でぐち はるあき)さんは、58歳で30年以上勤めた会社を退職した時、人生で何度目かの大きなトレードオフを経験。
- 70歳にして保険業界から畑違いの教育業界へと転職することになりました。ぜひ、トレードオフで選択する時には優先順位を見極めること。
捨てるものを決める「マイルール」をつくる
今週中に片付けると決めたら、必ず守って時間内に実行する。そして段ボール3箱分を捨てると決めたら、箱がいっぱいになるまで黙々と詰め込むのが「マイルール」です。
ただ漫然と捨て用としても、「これは旅行に行った時の思い出の品だから」などと考え始めるので、なかなか作業は進まないです。ところが、まず段ボール何箱分と分量を決めてしまえば、そこに意識を集中することができます。
もし、恋人から「明日、家に遊びに行くね」と言われたら、おそらく何がなんでも今日中に片付けようと思うはずです。いわば他力によって締め切りを設定している状態です。恋人がいない人も、壁に目標を張るなり、周囲に宣言するなりして、自分を追い込むことはできます。
▼段ボール3箱分を捨てると決めたら、箱がいっぱいになるまで黙々と詰め込むのが「マイルール」
- ものを捨てるときのキーポイントは2つ。それは「時間」と「分量」。今週中に片付けると決めたら、必ず守って時間内に実行。そして段ボール3箱分を捨てると決めたら、箱がいっぱいになるまで黙々と詰め込むのが「マイルール」。
- もし、恋人から「明日、家に遊びに行くね」と言われたら、おそらく何がなんでも今日中に片付けようと思うはず。いわば他力によって締め切りを設定している状態。
空気を読む癖を捨てれば、職場に信頼関係が生まれる
仕事が楽しくて仕方がないという人もあまり知りませんが、プライベートにしても、楽しくて仕方がないことばかりではないです。むしろ、家族や恋人、友人たちと過ごす休日は、さながら「ルールなき戦い」です。デートの目的はお互い一致しているとは限らないです。プライベートで起こることの方が、空気を読みにくい分、難易度が高いのではないでしょうか。
それに比べて、会社にはルールがあります。定款(ていかん)や就業規則があり、事業計画に沿って最適な動きかたをすることになっています。
では、人はなぜ仕事が辛いと感じるのか。原因は無駄な気遣いにあります。「この言葉遣いを上司はどう思うかな」とか、「この企画は、あの上司の趣味に合わないかも」などと、職場の空気を読むから疲れるのです。
空気を読めない人は、実は仕事のできる人です。仕事以外のことに惑わされず、自分がすべきことの目的を考えています。
ぜひ、上司の指示が曖昧で見通しが立たないようなら、空気を読まずに即座に突き返してください。上司が適切な指示を出すまで、その仕事に着手しないと言うのも効果的な対処法の一つです。
▼仕事の目的は明確、正解のない対人関係と違って簡単明瞭
- 家族や恋人、友人たちと過ごす休日は、さながら「ルールなき戦い」。プライベートで起こることの方が、空気を読みにくい分、難易度が高いのではないだろうか。
- それに比べて、会社にはルールが。定款や就業規則があり、事業計画に沿って最適な動きかたをすることになっている。ルールを守っていかに利益を生み出すか。仕事の目的は明確、正解のない対人関係と違って簡単明瞭。空気を読めない人は、実は仕事のできる人。
「上司が部下を育てる」という考え方を捨てる
上司が部下を育てるなんてあり得ない、育てると言う行為にどこか傲慢さを感じていたようです。
人間は「考える葦(あし)」です。どんなことでも目一杯考えます。アドバイスができるとしても、部下に人生の指針を示すことなどできないです。人が人を育てると考えるのは傲慢(ごうまん)です。
強いていうならば、仕事が人を育てます。もし、人が人を育てることができるのならば、誰もが世界記録を持つオリンピアになれるでしょうが、まずそんなことはないです。会社業務でも、上司が指導できるのは最低限の社会的なスキルぐらいです。
そして、部下に決して完璧を期待していけないです。60点でちょうどいいと考えるべきです。
ぜひ、上司になった時には、育てる、という考え方を捨ててください。
▼上司になった時には、育てる、という考え方を捨ててみること
- 出口さんは、会社員時代から部下の相談に乗ることはほとんどなかったそう。上司が部下を育てるなんてあり得ない、育てると言う行為にどこか傲慢さを感じていたよう。
- 会社業務でも、上司が指導できるのは最低限の社会的なスキルぐらい。そして、部下に決して完璧を期待していけない。60点でちょうどいいと考えるべき。
ぜひ、上司になった時には、育てる、という考え方を捨ててみること。
大事な決断ほど「熟慮(じゅくりょ)」を捨てる
人生における大事な決断ほど、実はその場のノリで選んだほうが、いい結果が出ます。
パートナーとは遺伝子を再生産する可能性があるわけで、もちろん同性同士の場合は少し事情が異なりますが、ともかく人間が動物である限りは、パートナー選びは人生の重大な局面です。
ただ、それに対して熟慮(じゅくりょ)に熟慮を重ねて臨む人はいないです。「この人の遺伝子情報をチェックしてから」とか「学歴と収入をチェックしてから」と考える人はまずいないと思います。パートナー選びという重大な決断ほど、人は直感で選んでいます。
「人生は選択の連続である」というシェイクスピアの言葉があるように、人間の毎日は選択の連続です。「ランチを食べに行こうか」「もうちょっと仕事するから行かない」と言った同僚との些細なやり取りも選択です。そして、そのランチを食べに行った先で、とても素敵な人に出会うかもしれないです。
世の中、偶然が重なって人生が刻まれていきます。それが動物としての自然な姿だと考えれば、一生懸命に考えて二者択一することは実はそれほどないと気づきます。
ビジネスにおいても同じです。出来の悪いビジネス書には「起業するときは用意周到に準備してじっくり考える」とか、「転職するときは慎重を期して」などと、もっともらしい教訓がずらりと並んでいます。
ビジネスとは、はたして儲かるのかどうかをリスクとリターンの関係で判断するもの、つまりトレードオフです。どんな案件でもリスクの額はどれくらい見込まれるか、どれくらいの投下資本でリターンはどれくらい得られるかと、金額は違っても、常に二者択一の判断を迫られます。
ビジネスにおける役職は、どの組織でも「意思決定する社長と、それ以外」という2種類しか存在しないです。社長は難しい問題を解決するのが仕事ですが、社長以外はいくら優秀でも、社運を分けるような重要な局面には遭遇し(そうぐう)ないはずです。
ぜひ、大事な決断ほど、熟慮(じゅくりょ)しないでください。
▼人生における大事な決断ほど、実はその場のノリで選んだほうがいい結果が出る
- 大事な決断をするときは慎重に考えろと言いますが、それは間違った通説だと思う。人生における大事な決断ほど、実はその場のノリで選んだほうがいい結果が出る。
- ビジネスとは、はたして儲かるのかどうかをリスクとリターンの関係で判断するもの、つまりトレードオフ。どんな案件でもリスクの額はどれくらい見込まれるか、どれくらいの投下資本でリターンはどれくらい得られるかと、金額は違っても、常に二者択一の判断を迫られる。ビジネスの場面の大事な決断ほど、かるか儲からないかシンプル選択な場合も多い。
よく捨てよく得る取捨選択力は、「本・旅・人」で養わ(やしなわ)れる
人生で持てる時間とお金には限りがあります。
「捨てる」ことは、裏を返すと、捨てずに手元に残すものを「選ぶ」ことでもあります。
そして、捨てるものは何かと考える力と技術を養うには、たくさんの「本」を読み、広い世界を「旅」して、多くの「人」と出会うことです。この三大要素が、人間が進化するためには不可欠です。
「本・旅・人」の積み重ねで、人の思想は形成されていきます。何歳になっても常識にとらわれず、自分の目で見て、自分の頭で考えたいものです。生きるために学ぶので、生きている限り、その日常を手放すことはないです。
作家の島崎 藤村(しまざき とうそん)は、「人の世には三智(さんち)がある。学んで得る智(ち)、人と交わって得る智(ち)、自らの体験によって得る智がそれである」と格言を残しています。この「三智(さんち)」を出口 治明(でぐち はるあき)さんの言葉で言い換えたのが、「本・旅・人」です。そこでインプットした「智(ち)」こそが、本当の財産と言えます。
やりたいことを選ぶには、豊富な選択肢を持っていることが前提です。
ぜひ、たくさんの本を読んで、世界を旅して、面白いと思った人には会いにいってください。
▼「捨てる」ことは、裏を返すと、捨てずに手元に残すものを「選ぶ」ことでもある
- 「捨てる」ことは、裏を返すと、捨てずに手元に残すものを「選ぶ」ことでもある。そして、捨てるものは何かと考える力と技術を養う(やしなう)には、たくさんの「本」を読み、広い世界を「旅」して、多くの「人」と出会うこと。この三大要素が、人間が進化するためには不可欠。
- 「本・旅・人」の積み重ねで、人の思想は形成されていく。生きるために学ぶのですから、生きている限り、その日常を手放すことはない。
安定を捨てて未知の世界で適応力を磨けば、人間は進化する
自分にとって居心地の良い場所、つまりコンフォートゾーンにおける学びです。家や職場や学校、あるいは近所の飲食店などの慣れ親しんだ場所で、新しい知識を得たり異国や歴史の出来事を体験したりすることです。
一方、旅は自分の居場所を離れることですから、一時的にコンフォートゾーンを抜け出せます。慣れ親しんだ場所を離れるわけですから、不安や危険はつきものですが、反面、予期せぬ出来事に遭遇する確率は高まります。
安全地帯から抜け出し、誰も守ってくれる人のいない場所に身を置けば、偶然と出会う確率は高まります。そこに旅の最大の面白さがあると考えます。
本来、人間には安定を求める性質があります。昨日と同じことを繰り返して3度のご飯を食べられれば、こんなに楽な生活はないわけです。その安定した状態に人間は幸福を感じます。変化をなるべく避けたいと感じている人間の脳には、安定を好み、異物を排除しようとする力学が無意識に働いています。
社会も同じで、安定を好み、異なる原理を持つ社会を排除しようとする力学が働いています。
ただし、異なる社会と接触して多様性を受け入れることで、社会が進化を遂げてきたこともまた事実です。
旅の場合、荷物は最小限にすることで身軽に行動できます。そうすることで旅で起こる変化や偶然に適応することができます。そして適応力を磨くことができます。その結果、多くの学びを得られます。ぜひ、安定から離れ異なる社会と接触して多様性を受け入れることで、起こる変化や偶然に適応し、力を磨いてください。
▼人は安定した場所から離れその場に適応することで進化
- 「本・旅・人」という人生の三大要素のなかで、人と本は自分の居場所をベースにするもの。自分にとって居心地の良い場所、つまりコンフォートゾーンにおける学び。
- 家や職場や学校、あるいは近所の飲食店などの慣れ親しんだ場所で、新しい知識を得たり異国や歴史の出来事を体験したりすること。一方、旅は自分の居場所を離れることですから、一時的にコンフォートゾーンを抜け出せる。
- 慣れ親しんだ場所を離れるので、不安や危険はつきものだが、反面、予期せぬ出来事に遭遇する確率は高まる。人は安定した場所から離れその場に適応することで進化。時代の変化にも適応することができれば、進化していき必要とされる人材になることができる。
記憶力向上にはインプットを減らしてアウトプットを増やす
何か情報をインプットしたら、自分の言葉に置き換えてアウトプットすることが記憶を定着させるためには重要です。
脳のメカニズムは、それを覚えておくべき情報だと認識した場合、脳の奥にある海馬(かいば)に記憶しますが、その情報は引き出さなければ消えてしまうという特性があるからです。次のような脳神経科学の実験結果がそれを立証しています。
片方のグループには、先生が「君らだけに、特別にチャンスをあげよう」と言って、もう一度そのテレビ番組を見せます。もちろん学生は大喜びです。もう片方のグループは、テレビ番組を見るのは一度きり、そのかわり見た内容をその場で一人ずつ話してもらいます。翌朝のテストでは、どちらか高得点を取るでしょうか。
結果は、一度しか番組を見なかったけれども、その場で内容を語り合ったグループの方がいい成績に終わりました。
年齢や民族などの属性を様々に変えて、世界中で同じ実験が行われていますが、どの回でも番組を2回見たグループよりも、一度しか見ずに内容を話したグループのほうが平均30から50%いい成績を収めています。
つまり、同じ情報を何度もインプットするよりもアウトプットする方が、はるかにしっかりと記憶に残ります。そのメカニズムが脳科学の領域で証明されています。
インプットした情報は、自分なりに咀嚼して、自分の言葉に置き換え、アウトプットします。この脳内活動が、記憶として脳に定着させるのに有効だというわけです。
▼何か情報をインプットしたら、自分の言葉に置き換えてアウトプットすることが記憶を定着させるためには重要
- 何か情報をインプットしたら、自分の言葉に置き換えてアウトプットすることが記憶を定着させるためには重要。インプットした情報は、自分なりに咀嚼(そしゃく)して、自分の言葉に置き換え、アウトプット。
- この脳内活動が、記憶として脳に定着させるのに有効。人間は経験、アウトプットしたことしか自分の身に定着しない。ぜひ、情報はインプットしたら、アウトプットを忘れないように。
まとめ
著者 出口 治明(でぐち はるあき)】
- 人間は毎日トレードオフに直面している
- トレードオフとは優先順位を見極めること
- 捨てるものを決める「マイルール」をつくる
- 空気を読む癖を捨てれば、職場に信頼関係が生まれる
- 「上司が部下を育てる」という考え方を捨てる
- 大事な決断ほど「熟慮(じゅくりょ)」を捨てる
- よく捨てよく得る取捨選択力は、「本・旅・人」で養わ(やしなわ)れる
- 適応力を磨けば、人間は進化する
- 記憶力向上にはインプットを減らしてアウトプットを増やす
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