人類が最初にアフリカ大陸に登場したのは今から20万年以上前のことです。そして、太陽の熱で地球上の生命が絶滅するのは、今から15億年以上先の話と言われています。これを知り、あなたの人生は長いといえますか?仮に80歳くらいまで生きるとして、あなたの人生はたった4000週間しかないです。そうであれば、時間をうまく使うことは人にとっての最重要課題です。人生とは時間の使い方そのものです。
しかし、巷に溢れる時間管理術は役に立たないです。よく言われるのは、いかに少ない時間で大量のタスクをこなすかだったり、いかに毎朝早起きして規則正しく過ごすかだったりします。これらはもちろん大事ですが、それだけでは話にならないです。タイムマネジメントさえすれば何でもこなせる、というのは単なる幻想です。
問題は「時間が限られている」という事実にあります。日々の雑務を効率化するためのライフハックを学び、タイムマネジメントの指南書を読むことは、確かに大切です。しかし、それらを活用することでより多くの仕事をこなして、より多くの会議に出席し、より多くの利益を会社にもたらしても、あなたのストレスは減らないです。以前よりもっと忙しく、もっと不安で、もっと空虚(くうきょ)な気分になるだけです。
タイムマネジメントやライフハックの技術は、大事な真実を見落としています。それは「時間を思い通りにコントロールしようとすればするほど、時間のコントロールが効かなくなる」という真実です。手に負えない子どもと同じで、無理矢理押さえつけてもうまくいかないです。生産性を上げれば上げるほど、あなたはどんどん忙しくなります。
この生産性の罠から抜け出すためには、時間をできるだけ有効に使う方法を学ぶことが必要です。このブログでは、人生を激変する時間術を9個解説していきます。このブログを読んで時間の概念についてよくわかった、人生観が変わったという人は、コメントください。
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Contents
1.効率化の罠
20世紀になりタスク処理を効率化するためのツールとして、電子メールが発明されました。メールを使えば地球上のあらゆる人が、いつでも好きなところに、コストをかけずに呼びかけることができます。この仕組みのインプット側、つまり受信できる電子メールの数はほとんど無限大です。しかしアウトプット側、つまり実際に読んだり、返信したり、削除したりできるメールの数は限られています。ここから言えるのは、メールの処理能力をそんなに高めても、ゴールはないということです。
さらにメールの場合、返信するたびに状況は悪化していきます。あるメールに返信すると、それに対する返信がやってきて、またそれに返信しなくてはならず、やりとりが無限に続いていくからです。これが効率化の罠です。どんなに高性能な生産性ツールを取り入れても、どんなにライフハックを駆使しても、時間はけっして余らないです。
どんなに効率的にやっても、忙しさは終わらないです。この事実を理解していれば、いつか平穏な日が来るという期待を持たなくて済みます。たとえやることが大量にあっても、今の生活に平穏を見いだすべきです。残念ながら、やるべきことはいつでも多く存在し、これから先もきっと変わらないです。
この事実を理解しておいてください。
2.人生の全ては借り物の時間
ヘグルンドのいう通り、永遠は死ぬほど退屈です。もし人生が永遠なら、今日何かをやる必要も全くないです。今日やらなくても、明日も明後日も、永遠に毎日は続いていきます。
確かに無限に比べれば、4000週間は短く感じます。しかし、そもそも生まれなかった場合に比べたら、4000週間もあることはかなり恵まれたことです。それに気づかない人は、自分の人生を当たり前のものだと考えています。自分の人生は全て自分の好きにできるものであって、絶対に奪われてはならないと思い込んでしまいます。
しかし、逆に考えてみてください。無限にあったはずの時間を奪われるわけではなく、そもそも時間が少しでもあること自体が、奇跡的です。自分はたまたま生きているだけで、そこに必然的な法則は何もないです。すべてはただの偶然で、明日生きている保証もないです。このような視点を知ると、日々の暮らしは違って見えてきます。交通渋滞に巻き込まれたり、子供がいうことを聞かなくてイライラしたりすることも、体験できることが奇跡です。
限りある時間の中で生きる人間は、いつも厳しい選択を強いられます。人生の全ては借り物の時間です。あなたが何かをすると決めたなら、必然的に他の重要なことを捨てることになります。
すべてを詰め込みたいと思うのはわかりますが、何かを選択できること自体がすでに奇跡です。「他にも価値のある何かを選べたかもしれない」という事実こそが、目の前の選択に意味を与えます。「失う不安」の代わりに「捨てる喜び」を意識してください。選べなかった選択肢を惜しむ必要はないです。
3.まず自分の取り分をとっておく
STEP2.自分の取り分を確保する
給料が入ってすぐに一部を貯金や投資に回せば、後でお金が足りないと感じなくて済みます。日々の買い物をする時も、まるで最初からその分がなかったかのようにやりくりできます。
しかし多くの人は、まず買い物をして、余ったら貯金をしようと考えます。そうすると月末にはお金がなくなっています。派手に無駄遣いしたわけではなくても、コンビニでの買い物や飲み会など、小さな出費が積み重なったからです。人は長期的な計画を立てるのが苦手です。今の時点で何かが必要だと思っても、それは1週間後や1ヵ月後に見れば無駄だったということが少なくないです。長期的な優先順位を事前に判断するのは、ほとんど不可能だと思ってください。
時間も同じです。まず自分の取り分を確保しないと、どんどん他のことに時間を使ってしまい、本当に大事なことができなくなります。余った分を投資しようと思っていても、絶対に余らないです。本当にやりたいことがあるなら、確実にそれをやり遂げるための唯一の方法は、今すぐにそれを実行することです。4000週間のうち、少しでも時間を大事なことに使いたいなら、まずはそれから始めるようにしてください。
4.進行中の仕事を制限する
(例)
あるプロジェクトが難しくなったり、つまらなくなったりしたら、そのたびに別のプロジェクトに切り替えます。そうすれば表面的には、物事をコントロールしていることになります。しかし代償として、大事なことはいつまでたっても終わらないです。
より良いやり方は、同時に進行する仕事の数を、極限まで削ることです。
STEP2.最も重要な3つのことを選んだら、そのうちの1つが完了するまで他の仕事は一切やらないことを決める
STEP3.どれか1つ仕事が終われば、空いた枠に別の仕事を入れても構わない
このように、進行中のタスクを制限するだけで、効率よく仕事を進めることができます。ただし、3つのタスクを選ぶときには、他の全てを捨てる決断が必要です。この事実に向き合い、選んだタスクにじっくり取り組むようにしてください。
5.優先度「中」のタスクを捨てる
ある優秀な投資家が、自家用機のパイロットに優先順位の付け方を教えたという逸話があります。パイロットは投資家に「どうすれば上手く人生の優先順位をつけられますか?」と尋ねました。これに対し投資家は、「人生でやりたいことのトップ25をリストアップし、それを最も重要なものから重要でないものへと順番に並べてみなさい。そのうち上位の5つに時間を使うと良い」と言いました。ここまではよくあるアドバイスですが、この話には続きがあります。その投資家は加えて「残りの20項目は捨てなさい」と言いました。
優先順位が中くらいのタスクは、現実には邪魔になるだけです。いつかやろうとは考えず、バッサリ切り捨てたほうがいいです。それらは人生の中でさほど重要ではないにもかかわらず、重要なことから目をそらすくらいには魅力的だからです。例えば、そこそこ面白い仕事もチャンスや、まあまあ楽しい友人関係などです。切り捨てるには惜しく感じますが、そのようなことこそ限られた人生の時間を食いつぶしている可能性があります。あなたも今日から中くらいの優先順位のタスクを切り捨てる努力をしてみてください。
6.1日の困難は1日分で良い
古代から多くの思想家が、今ここにある現在に注意を向けなさいとアドバイスしてきました。なぜなら今この瞬間だけが、僕たちに関係のある唯一の時間だからです。当然ですが過去は変えられず、未来はどうなるかわからないです。
大切なのは「何が起ころうと気にしない生き方」をすることです。これは悲しみや哀れみや怒りを感じてはいけないということではないです。この先悪いことが起こらないように努力することが無意味だ、と言っているのではないです。
未来をコントロールしたいという執着を手放してください。そうすれば不安から解放され、本当に存在する唯一の瞬間を生きられます。これが今を生きることです。少し哲学的な考えにもなりますが、やはり「今を生きる」ことは大切です。ぜひ意識してみてください。
7.問題がある状態を楽しむ
忍耐や我慢という言葉には、ネガティブな響きがあります。やりたくないことを我慢してやるのは不愉快で、受動的な態度に思えます。しかし、誰もが急いでいる社会では、急がずに時間をかけることのできる人が得をします。つまり、忍耐は強みになります。日々の生活で忍耐力を発揮するにはコツがあります。
僕たちは何か問題があると、急いでそれを解決しようとします。その結果、目の前の具体的な問題だけでなく、問題があること自体が問題であると感じられ、二重に苦しむことになります。何一つ問題がない状態なんて、現実にはありえないです。なぜなら、問題のない人生はやるべきことがなく、意味がないからです。
そもそも問題とは、自分が取り組むべき何かのことを指します。この取り組むべきことが何もなくなったら、人生は全く味気ないものになります。だからこそ「すべての問題を解決する」という達成不可能な目標を諦めてください。人生とは一つ一つの問題に取り組み、それぞれに必要な時間をかけるプロセスであるという事実に気づくはずです。
8.小さな行動を着実に繰り返す
実際には、ほんの少しの量を毎日続けていました。彼らが成果を急ぐことはないです。たとえ1日の成果が少なくても、毎日コツコツ取り組んでいけば、長期的には大きな成果が出せると知っているからです。1日の執筆時間は短ければ10分程度、長くても4時間を超えることはなく、週末は必ず休んでいました。
早く仕上げようとすると焦ることになり、適切なペース配分ができなくなります。
たとえエネルギーが溢れていて、もっとできると感じても、それ以上はやらないようにしてください。あるタスクに50分取り組むとしたら、絶対に51分やってはいけないです。途中で思い切ってやめることで、忍耐の筋肉が鍛えられ、何度も立ち向かうことができます。その方が長期的に見れば、ずっと高い生産性を維持できます。
9.人と時間をシェアする
人々を悩ませる大きな問題は、人との付き合いです。せっかく自分の時間を確保していても、他人はいつでも、ありとあらゆる手段を使って時間を奪おうとします。
では、人との付き合いに時間をかけない方が幸せなのか。
- ゴミ出しや掃除、洗濯もやらない。
- 自分の好きなことだけをやっている。
これが理想と考える人には、時間の価値について誤解しています。
このような人は、時間を通常の財として捉えています。つまり、多ければ多いほど価値があるということです。しかし実際、時間はネットワーク財でもあります。それを使う人が増えれば増えるほど、その財から自分が得られる利益が増えるような財です。
・ソーシャルメディア→フェイスブックやツイッターで価値があるのは、自分がいくつプロフィールを持っているかということではない。
他の人たちがプロフィールを持っていて、互いにつながったときに初めて価値が生まれます。
時間がないよりは時間があった方が良いと考えるのが自然です。しかし、時間がいくらあったところで、一人ぼっちでは意味がないです。時間を意味のあることに使うためには、友達と遊んだり、デートをしたり、子供を育てたり、ビジネスを立ち上げたりするなど、他人と協力することが不可欠です。昔の人が罪人を島流しにしたのはそのためです。生産性ばかりを追い求めるのではなく、人と共有する時間を大切にしてください。
最後に、人の平均寿命は短いです。しかしそれは、絶望し続ける理由にはならないです。また、限られた時間を有効に使わなくては、とパニックになる必要もないです。むしろ安心してください。到達不可能な理想を、やっと捨てることができます。
効率的で、万能で、傷つくことがなく、完璧に自立した人間になることなど、初めから無理だったと認めてください。希望を捨てるからこそ、できることに時間を費やすことができます。現実を受け入れた上で、自分にできることに今すぐ取り掛かってください。今回の解説が学びになった、面白かったという人は、コメントください。
2.人生の全ては借り物の時間
3.まず自分の取り分をとっておく
4.進行中の仕事を制限する
5.優先度「中」のタスクを捨てる
6.1日の困難は1日分で良い
7.問題がある状態を楽しむ
8.小さな行動を着実に繰り返す
9.人と時間をシェアする
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