正しいノートの取り方を実践するのは難しいです。
代表的な間違いは,
- 先生が黒板に書いたことをそのままを、きっちりと記録する。
- 黒板をスマホで撮影して、講義をスマホで録音する。
全部僕がやっていることだ...
いずれもよく見かけるノートの取り方ですし、なかには「何が悪いのかわからない」と思った人もいると思います。こられは教育心理学の研究などにより、すでに何度も否定されてきた悪手です。
「先生が黒板に書いたことをそのままを、きっちりと記録する」という行為が問題なのは、そこに自分の頭を使って考える要素がないことです。結論としてアクティブラーニングが効果的です。
受け身の姿勢で講義の内容を頭に入れるのではなく、工夫して、自分なりに情報を加工すること。
要するに、自分の頭を使って考えることが、アクティブラーニングにおける最大のポイントです。このブログでは途中で挫折することなく、目標を達成したい人に向けて、アクティブラーニングの要素を取り込んで、科学的に正しいノート術を9個紹介していきます。このブログを読んで勉強になった、為になったと思った人はコメントください。
Contents
1.ノートを書くための「究極の基本ルール」
まずは「正しいノートを書くために基本的なルール」を紹介します。本当に役立つテクニックには、いくつかの科学的な共通点があります。記憶力や学習を正しくサポートするために欠かせないポイントだけを抜き出すと、具体的に6つのルールに集約されます。
<ルール1>ノートは苦労してまとめる
<ルール2>デジタルツールより手書きを重視する。
<ルール3>ノートに書けば書くほど良い
<ルール4>ビジュアルを駆使する
<ルール5>ノートを取りながら自分に質問する
<ルール6>ノートはどんどん追加修正する
2.ノートは苦労してまとめる
講義を記録する際、読書の内容をまとめたいときなどに、学んだ内容を身につけたければ、脳に汗をかきながら、懸命にノートに書き残してください。スマホなど手軽に残したデータは頭の中に残りにくく、記憶したと思ってもすぐに抜け落ちてしまいます。
私たちの脳は、外から取り入れた情報をいったん自分の手で加工しないと、物事をうまく記憶できないように設計されています。例えば、好きな小説を読んで数日後に、「あの主人公はなんで悲しんだのか?」といった疑問が湧いてきた経験を持つ人はいると思います。ここで「能動性」を身につけると、思考のパターンは一気に変わります。このあとのストーリー展開を考えながら能動的に読み進めることで、脳が「この内容は覚えておく必要がありそうだ」と判断し、記憶の定着率が格段に上がります。
3.デジタルツールより手書きを重視する
最近はスマホやタブレットでメモを取ることは普通になりましたが、学習効果の面から見れば、いまだに手書きの優秀さにはかなわないです。
パソコンの便利さが脳の理解を妨げます。
- パソコンは手書きよりも入力が簡単なため、目の前の情報から注意がそれやすく、何も考えずにキーボードをたたく状態になりやすい
- キーボードは手書きよりもスピーディなため、自分が入力した内容を脳が処理する時間が十分に取れない
手書きでノートを書いた場合は、1つの語を書くたびに、脳が「これはどういう意味だろう?」と考えるヒマがあるのに対して、キーボードを使うと、内容の理解が深まらないまま文字を並べるだけに終わってしまいます。
4.ノートは書けば書くほど良い
学習に関する多くの研究で「ノートは書けば書くほど良い」といった結論が出ています。
ノートを取る際には情報を選び簡潔にまとめることが良いとされていますが、簡潔なメモを残すのではなく、とにかく大量の情報を書き込んだほうが学習効果は上がります。
→先生の言うことを一言一句記録するのではなく、講義を聞きながら「この内容で重要なことは?」などと自分に問い続け、その答えを大量に書き残すことが必要。
少しでも心が動いた情報は、ノートにすべて書き加えておいてください。脳は海馬と言われるところで情報を選別します。そこで、重要と判断すると長期記憶として保存されます。
2.感情がセットになった情報
前者は分かりやすいです。何度も教科書を読み返すような勉強法が代表的な例です。もう1つ大事なのが、海馬は感情が動かされた情報を優先するというポイントです。何の興味も持てない歌よりも、「この歌は感動する」と感じた曲の歌詞のほうがすぐに記憶できます。能動的で強い感情をともなった情報は、記憶しやすくなります。
5.ビジュアルを駆使する
覚えたいことをイラストにすると、文章で書くよりも目から入る情報量が増え、手をより多く動かすことになります。そのため、脳内の運動システムにはより大きな負荷がかかり、その分だけ脳の刺激も大きくなって、海馬が「この情報は覚える価値がある」と判断してくれます。ビジュアル化が持つ力はそれだけではないです。「勉強内容と無関係な落書き」によっても記憶の定着率が上がります。
・1つ目のグループ:音声の内容をメモするだけ
・2つ目のグループ:紙に落書きしながら音声を聞く▼結果:落書きしながら音声を聞いた方のグループは落書きをしなかったグループよりも29パーセントも音声の内容を覚えている率が高かった
何の関係もない落書きであろうと、とにかく手を動かしておけば脳は情報をシャットダウンしにくくなります。
もし、退屈な講義を聞く際には、ノートに落書きをしてみてください。記憶の定着率がアップするはずです。
6.ノートを取りながら自分に質問する
ノートを取る前に「今日は何を学ぶのか?」、「学習のポイントは?」と自問してください。また、ノートを取り終えたら「このノートは良いと言えるのか?」のような質問を自分に投げかけます。そうすることで理解が深まり、集中力がアップします。
自問自答しながらノートを取ることを「戦略的ノート術」といいます。
「戦略的ノート術」では、講義の前、最中、後という3つのタイミングで自分に対して質問を重ねていきます。そのポイントは3つあります。
1.講義前に「自分は今日の講義内容について何を知っているのか?」を明確にする
2.講義の最中に「いま自分は何を学んでいるのか?」を明確にする
3.講義後に「自分は何を学んだのか?」を明確にする
これらは一見すると当たり前のようですが、実践できている人は少ないです。質問をすることで「講義のポイントを探そう」、「知らない単語が出てこないか注意する」といった焦りが生まれ、この気持ちが集中力アップにつながります。
7.ノートはどんどん追加修正する
ノートに直しを加えると、知識は頭に残ります。いったん書き終わったノートでも、あとから追加修正を行えれば行ってください。なぜなら、学習の効果が高まるからです。ノートの「追加修正」が効果的な理由は大きく2つあります。
2.あとからデータを追加することで、学習した情報と情報のあいだにつながりが生まれます。なので、新しい知識をみにつけたいときは、すでに知っている知識とリンクさせることが効果的です。
さらに、追加修正の効果を高める要素として2つのポイントがあります。
- 追加修正は「学習後」より「学習中」に行ったほうが効果は高まる
- 友人や知り合いと一緒に追加修正したほうが、学習の効果は上がる
1つ目は心理学の世界で「一時停止効果」と呼ばれる現象です。この手法が効果的なのは学習中に一時停止ポイントを作るたび、脳がリセットされて、時間が経っても集中力が低下せずにすむからです。
2つめのポイントは心理学で「パートナー効果」と呼ばれる現象です。学習効果が高くなる理由は誰かと一緒に考えたほうが、斬新な追加修正のアイデアを思いつきやすくなるからです。
8.目標達成率が2倍に高まる「WOOP(ウープ)」メソッド
ニューヨーク大学の心理学者ガブリエル・エッティンゲン博士が開発し、効果についてはすでに20年以上におよぶデータの蓄積があります。WOOP(ウープ)を使った人を調べた実験では、何もしなかった人とくらべて、4ヶ月で目標達成率が2倍に高まることが認められました。ここからはWOOP(ウープ)のメリットを紹介します。
- 勉強のモチベーションがアップする
- 時間の見積り・目標設定がうまくなる
- 成績が上がり、出席率や授業中の行動も改善される
- セルフコントロール能力が上がり、宿題をこなす確率が上がる
- 勉強に取り組む時間が増える
モチベーションや時間管理に困っているなら、まずはWOOP(ウープ)を試してください。
→考え方はシンプルで、自身が決めた行動について、「もしXが起きたら(if)→Yをやる(then)」といった形式で実行の内容をルール化する
もう1つ、WOOP(ウープ)を使って目標達成率が2倍にはね上がる理由があります。
それは心理学の世界で「心理対比」と呼ばれるメカニズムを使っている点です。
例えば「5キロやせる」という目標では次のような作業になります。
メリット:健康になった、医療費が減ったなどのポジティブなイメージを思い浮かべる
トラブル:飲み会で食べ過ぎる、ストレスでやけ食いしてしまうなどのネガティヴなイメージを思い浮かべる。
このような作業によってモチベーションが高まる理由は、目標を達成したイメージを細かく思い描いたことにより、脳が「この目標は達成できそうだ!」と思い込むからです。脳は頭の思い浮かべたイメージと現実を区別するのが苦手で、ポジティブな想像を達成できそうだと判断します。ポジティブな想像で脳がなまけてしまわないように、ネガティブな想像でバランスを取ってください。それが「心理対比」のポイントです。また、「アカウンタビリティ・チャート」と呼ばれるもので時間のコントロールを行います。
9.WOOP(ウープ)ノート作成・5つのステップ
「WOOP(ウープ)ノート」の具体的な作成方法を紹介します。「WOOP(ウープ)」ノートは右ページの「WOOP(ウープ)エリア」と左ページの「アカウンタビリティ・チャート」の2つに分かれています。右ページでその日の行動計画を立て、左ページでその計画が順調に進んだかどうかを記録するイメージです。
まずは右ページの「WOOP(ウープ)エリア」を4ステップで作成していきます。
ステップ1.願望(Wishウィッシュ)
まずは、自身が成し遂げたいその日の目標を考えてください。「自分が達成したいことは何か?」と自問自答して、その答えを「WOOP(ウープ)」の「Wish(ウィッシュ)」欄に書き込みます。
ステップ2.成果(Outcomeアウトカム)
ステップ1で書き込んだゴールの「ベストな成果」を「WOOP(ウープ)」の「Outcome(アウトカム)」欄に書き出します。例えば、「学校で学んだことを2時間復習する」をゴールに設定したなら、「講義の大枠をつかんで良い気分になる」などが挙げられます。ベストな成果が思いついたら、その内容をできるだけ鮮明に脳内でイメージしてください。イメージする時間は30秒から1分程度で構わないです。ここはWOOP(ウープ)の中でも特に大事なステップなので、必ず実行してください。
ステップ3.障害(Obstaclesオブスタクル)
ステップ1で書き出したゴールを目指す際に、障害になりそうなものを考えて「WOOP(ウープ)」の「Obstaclesオブスタクル」欄に書き出します。
例えば、「数学の問題集を10ページ進める」というゴールについては、「勉強中にSNSをチェックして、集中力が切れてしまう」などの障害が考えられます。具体的な障害を思いついたら、再び目を閉じて、その内容をできるだけ鮮明に脳内でイメージしてください。このステップもWOOPの効果を左右する大事なポイントなので、面倒に感じても必ず行ってください。
ステップ4.計画(Planプラン)
ここまでのステップをふまえて、最後に具体的なアクションを考えます。例えば、「SNSをチェックしてしまう」が障害なら、「SNSを見てしまったら500円貯金をする」のような対策を取ります。特定の対策が浮かんだら、「イフゼン・プランニング」を使って、具体的な実行計画に落とし込みます。
・もし〇〇(障害の内容)が発生したら、〇〇(対策の内容)をやる
すべての障害に「イフゼン・プランニング」を作ったら、その中からもっとも重要なものを1つだけ選んでください。そして「WOOPウープ」の「Planプラン」の欄に書き写してください。例えば、「もし勉強中にSNSをチェックしてしまう」のが1番の問題であれば「SNSをチェックしそうになったら、500円貯金のことを思い出す」を選ぶ。そしてもっとも重要な「イフゼン・プランニング」として別のエリアに書き込み、「WOOPウープ」の「Planプラン」欄に記入します。
ステップ5.アカウンタビリティチャート
ノートの左ページに「アカウンタビリティ・チャート」を用意し、以下のステップで1日のスケジュールを考ください。
- 「理想の1日」を設定する
- 「理想の1日」を組み立てる
- 「スケジュール」に書き込む
- 「タイム」に作業の所要時刻を書き込む
- 「アクト」にやったことを書き込む
- 「理想の1日」を過ごせたか、1日の終わりに振り返る
- 新たな「イフゼン・プランニング」を作る
「アカウンタビリティ・チャート」をマスターすると、実行力も計画力も大幅にアップします。
最後にノートの取り方を工夫するだけで目標達成に近づきます。何か目標達成したいと思ったときに、ブログで紹介したテクニックを試してください。ぜひ、目標達成に向けて頑張ってください。このブログを読んで勉強になった、為になったと思った人はコメントください。
2.ノートは苦労してまとめる
3.デジタルツールより手書きを重視する
4.ノートは書けば書くほど良い
5.ビジュアルを駆使する
6.ノートを取りながら自分に質問する
7.ノートはどんどん追加修正する
8.目標達成率が2倍に高まる「WOOP(ウープ)」メソッド
9.WOOP(ウープ)ノート作成・5つのステップ
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