こんにちは、あっきーです!
50代は折り返し地点にすぎないです。本来長生きは喜ばしいことですが、老後資金を考えると、年金だけで生活するにはお金が足りないのが現状です。老後資金を貯めるには、収入が必要です。まずは、いつまで働き続けるのかを考えてください。
働き続ければその分、貯めなければいけない老後資金も少なくなります。
また、老後資金だけでなく定年前後のお金の手続きについても、知識を身につける必要があります。
きちんとお得な方法で手続きすれば、1,000万円以上の差を生むこともあります。この本では、定年前後のお金の手続きについて、するべきこと、した方がいいこと、考えておくべきことをまとめました。
このブログではそのうち厳選した8個を解説していきます。一人でも多くの人が定年前後のお金について考え、正しく手続きを行い、心配のない老後を迎えられると嬉しいです。
勉強になった、もっと知りたいと思った人はコメントください。
Contents
定年後「いつまで働き続けるのか」計画をたてる
会社は70歳までの就業機会を確保することが努力義務になり、長く働ける環境が整ってきています。
どんな働き方をするにしても大切なのは、60歳以降もなるべく長く働く準備をしておくことです。
60歳で定年退職し、ブランクができてしまうと、再就職は難しいです。もし働けなければ、健康面や生きがいの面でも心配です。
老齢年金の受け取りは原則65歳からです。65歳の年金の受け取りまで、年間の生活費が300万円かかったとして、生活するだけで1,500万円かかります。働いて年200万円の収入があれば、5年間の支出は500万円で済みます。
いつまで働き続けるかは、収入だけではなく、健康や生きがいを考えるうえでも大切なことです。
▼働けるうちはできるだけ長く働くことを考えるべき
- 60歳以降にどんな働き方をするにしても、なるべく長く働く準備を!60歳で定年退職すると、年金受け取りまでに5年の空白期間が。働けるうちはできるだけ長く働くことを考えるべき。
自分の「年金額」を把握する
日本の公的年金には、大きく分けて国民年金と厚生年金の2つがあります。
- 国民年金…
20歳から60歳までのすべての人が加入する年金。20歳から60歳まで40年間国民年金保険料を払えば、満額を受け取ることができます。 - 厚生年金…
会社員や公務員が勤務先を通じて加入する年金。毎月の給与から国民年金・厚生年金の保険料を天引きで払って、老後には国民年金と厚生年金の両方を受け取れます。厚生年金の受給額は、加入期間中の給与や賞与の金額により計算されます。
自分がどのくらいの年金を受け取れるかを知るには、毎年の誕生日前後に届く「ねんきん定期便」を確認してください。
50歳以上のねんきん定期便には、60歳まで加入した場合の年金額の目安が書かれています。
▼年金の受給額は、加入期間中の給与や賞与の額から計算される
- 老齢年金には、国民年金と厚生年金の2つがある。国民年金は20歳から60歳までの全ての人が加入する年金で、40年間保険料を払って満額の年金を受け取る。厚生年金は、会社員や公務員が勤務先を通じて加入する年金。
- 保険料を給与天引きで払い、国民年金と厚生年金の両方を受け取る。受給額は、加入期間中の給与や賞与の額から計算される。年に1回届く「ねんきん定期便」を見て、自分の年金額を確認してみること。
定年後にかかる「生活費」を試算してみる
でも実際定年したら、どのくらいのお金が必要なんでしょうか?
- 1つ目、日常生活費
食事、服、光熱費など、生活のために必要なお金 - 2つ目、一時的な出費
夢、目標の実現のためのお金、豊かな暮らしをするためのお金 - 3つ目、医療費や介護費
もしものけがや病気、介護のためのお金
このうち絶対に必要なのは日常生活費です。
一時的な出費はなくても大丈夫ですが、全くないのも寂しいです。医療介護費は、人により大きく異なりますが、公的制度の充実により、基本的に貯蓄でまかなえます。
老後の年間支出は、現在の1カ月の生活費を12倍すればおおよその金額がわかります。老後の生活費は現役時代の7〜8割になるとして、7掛けした金額で把握してもいいです。
準備すべき老後資金の額は、老後の年間支出から老後の年間収入を引いた額、掛ける老後の年数です。
老後の年数は、仮に65歳から90歳までの26年として計算してみてください。
それに医療費や介護費として1人500万円を足した金額が、老後に必要な金額の目安です。
毎月の不足額は約33,000円です。高年齢単身無職世帯の実収入は124,710円、支出合計は151,800円で、毎月の不足額は約27,000円です。この収入・支出が26年間続くとします。それに加えて医療・介護費も1人500万円程度用意すると、夫婦世帯なら2,000万円、単身世帯でも1,300万円が不足することになります。
▼準備すべき老後資金の額は、老後の年間支出から老後の年間収入を引いた額、掛ける老後の年数
- 準備すべき老後資金の額は、老後の年間支出から老後の年間収入を引いた額、掛ける老後の年数。
- 年間支出は現在の生活費の7割、老後の年数は、65歳から90歳までの26年として計算。それに医療費や介護費として1人500万円を足した金額が、老後に必要な金額の目安。2019年の家計調査データで試算すると、夫婦世帯なら約2,000万円、単身世帯でも1,300万円が不足することに。
iDeCo、NISAなど「節税できる投資」がおすすめ
お金を増やすために、お金を働かせて増やすことも始めた方がいいです。
投資は、コツコツ長く続けるほど、お金を堅実に増やせるからです。
なかでも取り入れてほしいのがiDeCoやNISAなど、節税しながら資産運用ができる仕組みです。資産運用をすることでお金を増やせますし、本来かかる税金を節約できるので、支出も抑えられます。
老後資金をつくるのに一番お得な制度が個人型確定拠出年金のiDeCo
iDeCoは公的年金の不足分を補う私的年金制度です。一定の掛け金を自分で払って運用し、増えたお金を60歳以降に受け取ります。
iDeCoでは大きく3つのタイミングで税制優遇を受けることができます。
- 1つ目、掛け金を支払うとき
iDeCoで支払った掛け金は、毎年全額が小規模企業共済等掛金控除という所得控除の対象になります。所得控除は税金の元になる「所得」から差し引く金額のことで、所得税や住民税が安くなります。 - 2つ目、運用するとき
iDeCoの運用で得られた利益には税金がかからないです。本来投資の利益には20.315%の税金がかかります。税金は大きな投資のコストですので、ゼロになるのは大きいです。 - 3つ目、お金を受け取るとき
iDeCoの資産は原則として60歳から75歳までの間に一時金か年金で受け取りを開始します。このとき一時金で受け取れば退職所得控除、年金で受け取れば公的年金等控除という所得控除を利用できるため、税金の負担を減らせます。
60歳まで受け取れないことを心配する人もいますが、60歳以降の老後資金を確実に用意できることは大きなメリットです。iDeCoの掛け金は毎月5,000円から1,000円単位で増額できます。上限は国民年金や企業年金によって変わります。50歳からiDeCoを始めても遅すぎることはないです。iDeCoは条件を満たせば65歳まで掛け金を出すことができます。
働いているなら所得控除の節税効果を得られます。また、65歳以降は掛金を新たに拠出することはできないですが、一時金受け取りの場合、75歳まで運用益非課税で運用できます。また年金受け取りの場合は最長20年に分割して、95歳になるまで運用益非課税で運用することができます。今50歳でも25〜45年、60歳でも15〜35年は運用できます。
NISAでは、投資で得られた利益にかかる税金をゼロにできます。
iDeCoの2つ目の税制優遇、運用益非課税と同じです。iDeCoとちがって所得控除の節税メリットはないですが、有利な商品が多く、効率よくお金を増やすことができます。引き出し制限はないので、自由に解約できます。
18歳以上(2022年までは20歳以上)が利用できるNISAには、一般NISAとつみたてNISAがあります。年間の投資金額の上限や運用できる商品、投資の方法が異なり、どちらか1つを選ぶ必要があります。
おすすめはつみたてNISAです。つみたてNISAは投資した年から最長20年間の投資の利益を非課税にできます。長期間積み立て投資をすることで堅実にお金を増やせます。運用しながら取り崩す場合にも、つみたてNISAの方が非課税期間が長いのでおすすめです。
- iDeCoとつみたてNISAでは、運用できる商品が異なります。
iDeCoの運用先は、大きく分けて元本確保型の定期預金と保険、元本変動型の投資信託の3種類から選びます。このうち、老後資金を増やしやすいのは投資信託です。つみたてNISAの運用先は、金融庁の基準を満たした約200本の投資信託、ETF(上場投資信託)です。保有中の信託報酬というコストが安く、長期間投資をすることで堅実にお金を増やしやすいです。
基準を満たしていても必ずお金が増えるわけではないですが、金融庁によると、資産や地域を分散した積み立て投資を20年間行った場合、年率の収益率は2%〜8%の枠内に収まるそうです。長期間投資は値下がりのリスクを抑える効果があります。
▼iDeCoやNISAの2つは節税しながら、資産運用ができる仕組み
- お金を増やすためには、できるだけ早く投資を始める方がいい。iDeCoやNISAの2つは節税しながら資産運用ができる仕組み。
- 老後資金をつくるのに一番お得な制度がiDeCo、個人型確定拠出年金。掛け金を自分で払って運用し、60歳以降に受け取る。iDeCoでは3つのタイミングで税制優遇を受けることができる。
- NISAでは、投資で得られた利益にかかる税金をゼロにできる。iDeCoとちがって所得控除の節税メリットはないが、有利な商品が多く効率よくお金を増やすことができ、引き出し制限はないので、自由に解約できる。
つみたてNISAの利益は、どう引き出すのが最もトクか?
他にもどんなポイントがありますか?
つみたてNISAの非課税期間は20年あります。
非課税期間終了後には、「非課税期間終了直後に売却する」と「課税口座で運用を続ける」の2つの選択肢があります。
おすすめは、つみたてNISAの投資期間が終了した後も、課税口座で運用を続けることです。
NISAの運用が終了した資産は、課税口座に移して運用を続けることができます。
つみたてNISA口座から課税口座に資産を移すときは、課税期間中の運用益には税金がかからず、移した金額が新しい取得価格になります。ライフイベントなどでお金を使う目的があれば、売却するのも全く問題ないです。
しかし老後資金を補うための資産であれば、仕事を辞める70歳ごろまではこのまま課税口座で運用を続けて、その後少しづつ取り崩してください。
▼つみたてNISAの非課税期間は20年、非課税期間終了後は課税口座で運用を続けることをお勧め
- つみたてNISAの非課税期間は20年あるが、非課税期間終了後には、課税口座で運用を続けることをお勧め。
- 課税期間中の運用益には税金がかからず、課税口座に移した時の金額が新しい取得価格に。なるべく長く課税口座で運用を続けて、その後少しづつ取り崩していく。
iDeCoは、「いつから、どうやって受け取るか?」
iDeCoの受け取り方は一時金と年金があります。
金融機関によっては併給もできます。
iDeCoの受け取り方は大きく分けると3つあります。
- 1つ目、一時金
一時金は、資産を一括で受け取る方法です。一時金で受け取る場合には、退職所得控除が利用できます。退職所得控除は退職金にかかる控除ですが、iDeCoの一時金受け取りにも使用できます。一時金で受け取った金額より退職所得控除の方が多ければ、税金はかからないです。もし退職金とiDeCoの一時金を同時に受け取った場合、控除額を超えた金額の1/2が退職所得として課税されます。 - 2つ目、年金受け取り
年金受け取りは、iDeCoの資産を5年から20年かけて受け取る方法です。年金受け取りの場合は公的年金等控除を利用でき、税金を減らすことができます。公的年金と合わせた収入金額から公的年金控除を差し引き、雑所得として給与所得などの他の所得と合算して課税されます。 - 3つ目、併用受け取り
iDeCoの資産は一時金と年金を併用して受け取ることもできます。その時にはそれぞれの控除を受けることができます。額面では年金受け取りが一番多くなりますが、税金などを考慮すると、手取りは一時金受け取りが最も多くなります。
なお、どの方法を活用しても、iDeCoには手数料がかかります。金融機関により金額は異なりますが、掛金を出しているときは最低毎月171円、掛金を出さないときも毎月66円の口座管理手数料がかかります。また、資金を受け取るたびにほとんどの金融機関では給付手数料が440円かかることも見逃せないです。
▼DeCoは3つの受け取り方によって支払う税金が変わる
- iDeCoは3つの受け取り方によって支払う税金が変わる。
- 1つ目、一時金➡一時金で受け取る時には退職所得控除を利用できる。
- 2つ目、年金受け取り➡年金で受け取る時には、公的年金等控除を利用できる。
- 3つ目、併用受け取り➡金融機関によっては一時金と年金を併用して受け取ることができる。その時にはそれぞれの控除を利用可能。額面では年金受け取りが一番多くなるが、税金や手数料を考慮すると、手取りは一時金の受け取りが最も多くなる。
会社員とフリーランスで違うiDeCoのおトクな「受け取り方」
ちなみに実際運用するにあたって、どんな方法がオススメなんですか?
65歳まで加入すれば、節税のメリットを長く生かすことができます。
60歳までしか加入できない場合でも、75歳まで非課税で運用を続けることで老後の資産を増やすことができます。
iDeCoの受け取り方を決める際には、iDeCo以外のお金のことを考える必要があります。「60歳以降に働いて得られる収入」「退職金の金額」「公的年金の金額と受け取る時期」「保有している金融資産」を把握してください。
60歳以降の収入から支出を引いて、足りなくなるところでiDeCoの資産を受け取ります。
計算の結果、75歳まで運用できないこともありますが、必要な時のための資産なので問題ないです。サラリーマンの場合とフリーランス・自営業では受け取り方のポイントが違いますので、それぞれ紹介します。
サラリーマンの場合
- サラリーマンがまず確認するは、会社の退職金です。iDeCoを一括で受け取る場合、退職金と一時金を受け取る順番で税金が変わります。iDeCoの一時金受け取りと退職金を同時に受け取ると、合算して退職所得控除額を超えた分の1/2に税金がかかります。
- iDeCoの一時金受け取りから退職金受け取りまで5年以上経過しているか、退職金受け取りからiDeCoの一時金受け取りまで15年以上経過しているなら、それぞれの退職所得控除を活用できます。
- 退職金の受け取りが60歳と決まっている場合には、iDeCoの一時金の受け取りは翌年以降に回してください。受け取る時期をずらすことで税率が下がり、税金が減らせる場合があります。退職所得控除の枠を使い切った時は、公的年金の繰下げ受給を活用して、iDeCoを年金で受け取るのもいいです。
フリーランス・自営業の場合
- フリーランス・自営業の人には、サラリーマンのような退職金や厚生年金はないです。フリーランスや自営業の場合はiDeCoの掛金の上限が月68,000円と多く設定されています。これに加えて小規模企業共済などの制度も活用して老後の資金を用意してください。iDeCoも小規模企業共済も、一時金・年金で受け取ることができます。
- サラリーマンの退職金と一時金の関係と同様で、先にiDeCoの一時金を受け取り、5年以上開けてから小規模企業共済の一時金を受け取れば最大限に退職所得控除を活用できます。小規模企業共済の一時金は受け取り時期を自分で決められます。
▼サラリーマンとフリーランス・自営業では受け取り方のポイントが違うので注意
- iDeCoの受け取り方を決める際には、「60歳以降に働いて得られる収入」「退職金の金額」「公的年金の金額と受け取る時期」「保有している金融資産」を把握すること。60歳以降の収入から支出を引いて、足りなくなるところでiDeCoの資産を受け取る。
- サラリーマンとフリーランス・自営業では受け取り方のポイントが違うので注意。
「高額医療費制度」は、老後に頼りになる制度
高額療養費制度は、毎月1日から末日までの1カ月の医療費の自己負担額が上限を超えた場合に、超えた分が払い戻される制度です。
知っておかなきゃ損することがまだまだ沢山ありますね!
自己負担額の上限は、年齢や所得により変わります。さらに、12か月以内に3回以上、自己負担額の上限に達した場合は、4回目から自己負担額の上限が下がります。
高額療養費制度はとても心強い制度ですが、カバーできない費用もあります。入院中の食事代、差額ベッド代、先進医療にかかる費用などです。
しかしこれらの費用を民間の保険で備える必要はないです。できるだけ貯蓄で賄ってください。
仮に若いときに保険に加入していて、保険料が割安なのであればそのまま加入していていいですが、定年間近でわざわざ医療保険やがん保険などで備える必要はないです。
▼高額療養費制度ではカバーできない費用は民間の保険で備えるのではなく、できるだけ貯蓄で賄うべき
- 高額療養費制度では、1カ月の医療費の自己負担額が上限を超えた場合に、超えた分が払い戻しされれる。自己負担額の上限は、年齢や所得により変わる。さらに、12か月間に3回以上、自己負担額の上限に達した場合は、4回目から上限が下がる。
- 前もって健康保険に限度額適用認定証を申請しておけば、自己負担額だけの支払いで済む。高額療養費制度ではカバーできない費用は民間の保険で備えるのではなく、できるだけ貯蓄で賄うべき。
まとめ
頼藤太希(よりふじたいき)】
- 定年後「いつまで働き続けるのか」計画をたてる
- 自分の「年金額」を把握する
- 定年後にかかる「生活費」を試算してみる
- iDeCo、NISAなど「節税できる投資」がおすすめ
- つみたてNISAの利益は、どう引き出すのが最もトクか?
- iDeCoは、「いつから、どうやって受け取るか?」
- 会社員とフリーランスで違うiDeCoのおトクな「受け取り方」
- 「高額医療費制度」は、老後に頼りになる制度
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