こんにちは、あっきーです!
トレーニングをされたアスリートやチームはそれまでとは違う成果を残しています。
結果を導くのは選手やチームですが、指導者として考え方の技術を伝えることで成果に大きな違いが発生します。
ぜひ、最高の状態を引き出すための考え方を身につけ、同時にチームとしてもその考え方を理解し合うことを意識して下さい。そうすることで、個人のパフォーマンスはもちろん、組織構築にも繋がります。
皆さんの中にはまだ出会っていない「自分の最高」が眠っているはずです。
それを引き出し、新しい自分に出会う考え方を学んでください。
この本は、最新の研究に身を置きながら提供しているトレーニング内容をもとに、どうして自分はうまくいかないのか、あるいは自分にはまだ発揮できていない力があるはずだと思っている方にとって、ヒントが集約された内容となっています。
このブログでは、その中でも必要な考え方を12個をご紹介します。
勉強になった、もっと知りたいと思った人はコメントをください。
Contents
自分がコントロールできるのは自分だけ
一流の選手であればあるほど、「明日は自分の持っている力を出し切るだけです」などと、冷静に答えています。
これは、頂点まで上り詰めたアスリートが、「自分がコントロールできるのは自分だけで、それが勝利に最も必要なこと」を知り尽くしているためです。自分の最高を引き出すには、自分がコントロールできることに集中するしかないと体験から学んでいるためです。
自分がコントロールできること以外は考えても仕方がない。
自分のスタイルを作ることは成功への必要条件
あるいはそれを象徴するものを目指しても、自分の最高を引き出すことはできないです。
- 例えば、「企業経営者になる」という将来像は、一見大きな夢として素晴らしいですが、これだけでは残念ながら不十分です。
どんな自分になりたいかによって、将来的に企業経営者になるか決まります。その目標を考えるだけではなく、その目標になれるのはどのような自分かを考えることが必要です。
このように自分が何を大切にしていくのか、どんな自分になっていくのかを考え追求することが、自分のスタイルを確立することに繋がります。
- イチロー選手も松井秀喜(まつい ひでき)選手も優れたバッターでしたが、スタイルは全く異なりました。
- 彼らは自分の最高を引き出すためのそれぞれのスタイルを確立していました。そして、自分のスタイルを確立していたからこそ、それぞれの日々の練習にどんな意味があるか深く理解して取り組み、その蓄積(ちくせき)によって目標を次々とクリアしていきました。
スタイル、ビジョンを作り上げることは、結果を出す上で絶対に必要なことです。
苦手なことも演じ続ければできるようになる
上手くいかなくて焦るし、イライラするな~
そのために身につけるべきスキルは山ほど書き出すことができます。
そして、その中にはまだできていないけれどやりたいこともあれば、できればやりたくない苦手なこともあると思います。
- 例えばリーダーになりたい人に必要なスキルとして、皆の前で話をするというスキルがあります。
- 経営者となれば、多くの人の前で話をすることもあります。今は人前で話すのが得意な人も小さい頃から大勢の前で話をすることが好きだったという人ばかりではないです。どんな人間も、その時々の自分の役割を認識します。そして話をしなければならないことを話していくうちに、次第にうまく話せるようになっている方がほとんどです。
苦手であってもマネジメントスキルを身につけることができれば大きな可能性が生まれます。
ましてや、理想の将来像がビジネスの世界で経営者として活躍することなどであれば、今はできなくても理想の姿に自分を近づけていくためには避けては通れない道となります。
理想の自分の姿に近づこうとすると、このようにそれまでの自分のままでは壁を乗り越えられないということが起こってきます。
そんなとき、役に立つ考え方の技術が「役割性格」です。
自分自身をしっかりと知る
あなたは自分の性格を変えることができると思いますか?
もう大人だし、正直なかなか変えられない自信はあります…
人は大人になるにつれて知識や経験が増え、それに伴(ともな)い考え方や行動が変わっていきます。
- 例えば小さな子供は大好きなおもちゃの取り合いをしたりしますが、やがて相手に譲ることを学びます。
このように自分の気持ちをコントロールできる領域が広がることを心理学的に「性格が成熟していく」と言います。
自分自身で認識しているものは氷山の一角であり、実は本当の自分はもっと大きいです。
自分がコントロールできる領域に広げることは、海の水の中で普段は見えない部分を少しずつ見つけていくことです。その過程で自分の力を知るようになり、それを認識することで初めてコントロールできるようになります。
長期的に自分の最高を引き出すためには、まずは自分自身をしっかりと認識した上で自分がコントロールできることをしっかりと把握します。
ぜひ、コントロールしていきたいことをみつけてみてください。
自分のなりたい理想の姿を演じる
そして自分の将来に結びつけていくことが重要です。
自分の新しい可能性を引き出し、それまでの自分の力をさらに大きく広げるチャンスです。そう考えることができればそのミッションにも前向きに挑戦できます。
ここで生きてくるのが役割性格です。
もし、リーダーに抜擢(ばってき)されることがあれば、リーダーとして活躍した経験のある先輩の話を聞きくことです。
そしてリーダー論を展開している書籍を読み、自分の理想のリーダー像を明確にしていくことが大切です。
そして今の自分には足りないが、自分の目指すリーダー像として必要なことを自分のスタイルで自分らしく演じていってください。
目標は「掲げる」のではなく「使う」
そもそも目標はなぜ設定しますか?
多くの方が目指すことを明確にするためなどと考えていると思います。
では振り返ってみてください。これまで掲げてきた目標は全て達成できましたか?
掲げた目標を全て達成していれば、すでに自分の最高を引き出す考え方を身につけていると思います。あるいは掲げてきた目標が自分の能力の割に低く設定されていると思います。多くの方は、目標を掲げたけれども達成できていないことがあるのではないでしょうか。
スポーツ心理学では、目標は掲げることで終わるのではなく、使うものです。
目標を2つ持つことで、諦めずに目標を達成しやすくなります。
具体的には、大きな目標と小さな目標、最高目標と最低目標、結果目標と行動目標、チーム目標と個人目標のように対となる2つの目標を作っています。
2つの目標を持つことで掲げるものから使うものへと変わります。
そして、二つの目標を設定するスキルを身につけることは、人生から諦めの気持ちを減らし、成長の実感を増やしていきます。
チャレンジとスキルの最適なバランスを考える
この目標設定の精度をさらに高めるためにしっかり理解すべきことがあります。それが、C Sバランスです。
- 「CSバランスとは」
C SバランスのCはチャレンジのCで、SはスキルのSです。
自分のチャレンジとスキルのバランスを表した用語です。
このチャレンジとスキルのバランスを見ながら、「簡単にはできないけれどなんとか頑張ればギリギリできるかもしれないこと」「今、できるかもしれない精一杯のこと」など絶妙なポイントに目標を設定することが重要です。
CSバランスの重要性を理解するために、CSバランスが崩れた状態について説明します。大きな目標を設定した後は、小さな目標や最高の目標・最低の目標を設定することが重要です。その小さな目標が自分のスキルに対して高すぎたり低すぎたりするとモチベーションを保つことができなくなります。
- 英語で考えてみまます。
わかりやすいような極端な例で言えば、高校卒業までに習う英語で同時通訳に挑戦したら、明らかにスキルに比べてチャレンジが高くて不安です。しかし、中1程度の英語の勉強は明らかに退屈です。
人は時に張り切りすぎて、そのスキルではどう頑張っても達成できない目標を設定します。これでは目標に挑戦し始めても現実的には全く手応えを感じることができないです。やがて、これは無理だと感じるようになり、そこに諦めの感情が生まれます。
これは、その時点でのスキルがそのレベルだから目標が達成できないだけなのに、最終的に到達したい目標自体を無理だと感じ、やっぱり自分ではできないと感じてしまいがちです。
CSバランスが、瞬時のベストな選択を可能にする
これらのゲームでは難易度が少しずつ上がり続け、プレイヤーが飽きないような工夫が数多く施され(ほどこされ)ています。
プレイヤーが1つのゲームに何時間も集中してしまう。依存症といわれるほど熱中してしまうのは、常に目の前に「もうちょっとでできる」レベルのチャレンジが設定されているためです。
それを達成する喜びを味わった瞬間にさらに、さらに新たなもうちょっとできるチャレンジが現れます。
大きな目標に対してCSバランスの中で着実に一つ一つの目標を設定し、達成し続ける例としてわかりやすいのが、メジャーリーガーとして大活躍している大谷翔平(おおたにしょうへい)選手です。
- 高校1年生の時に作った目標達成シートが有名ですが、そこに至るルーツとしては小学生の時から父親と交わし続けた野球ノートがあります。
- 社会人野球まで経験したお父さんは、試合や練習の後に大谷翔平(おおたにしょうへい)選手にその振り返りをノートに書かせていました。その返信として常に次の目標を考えるようにテーマを与えていました。
- 一つ一つの課題を乗り越えるたびに次の目標を掲げ、それを達成していくことで成長が加速することを、少年野球時代から大谷翔平(おおたにしょうへい)選手は体験から学んでいました。
大きな目標を達成するための解像度が上がり、一つ一つの目標を大きな目標に紐(ひも)づけることができます。
そうすることで小さな目標を単にタスク化するのではなく、大きな目標に向かうエネルギーとして使うことができます。さらに常に自分はゴールに向かっているという充実感を覚えることができます。
勝つためにプレーする「獲得型」
- 1つ目は、勝つためにプレーする「獲得型」思考です。
何かを手に入れるために行動するタイプの考え方で、意思決定が自動的で速く、チャレンジする意欲が強いです。 - 2つ目は、負けないようにプレーする「防御型」思考です。
何かを失わないために行動するタイプの考え方で、意思決定に慎重で、そのために不安感が増し、積極性が低下します。
何かを手に入れたいから行動する「獲得型」と、何かを失いたくないから行動する「防御型」では同じことに挑んでいても結果に大きな違いが出ます。
これまでの研究では「獲得型」でプレーした方がスポーツにおいて良いパフォーマンスを発揮できることがわかっています。
「獲得型」だから「仮説→実行→データ」が回せる
むしろ「防御型」よりもチャレンジ回数の多い「獲得型」の方が痛い思いをする回数は多いです。
でも「獲得型」で考えて動くことが習慣になっている人は、その痛い思いを次に活かすことで最終的に得たいものを獲得しています。
これは、仮説、実行、データ、仮説のサイクルを回し続けているからです。
- ミスをしたくないという発想になりますので、圧倒的にチャレンジ回数が減ります。
行動を起こすことがないので、データも集まらないです。だから仮説を立てることもできないです。そしてミスをしたくないという思いが強いため、常に自分が確実にできることの範囲で行動しようと考えます。そうなると当然、成長は鈍化します。
自分の最高を引き出したいなら、考え方を変える必要があります。
失敗を重ねて、そこからデータを集め、成功するための仮説を生み出し、再び行動を起こしていくサイクルこそが、最高の状態に辿り着く道です。
「獲得型」の思考習慣がもたらす効果は絶大です。
失敗を怖がらずに進めることで、意思決定が自動的になり、速くなります。「防御型」が対応策を考えている間にすでにアクションを起こしています。時には「防御型」が考えている間に「獲得型」がすでに失敗するということもあると思います。しかし、「獲得型」はすぐに次の仮説を立てて動き始めるので、何の問題もないです。
この「獲得型」思考を身につけることで、何が起こっても瞬時に自分の最高のパフォーマンスを生むにはどうすればいいかという仮説を立てられるようになります。
「獲得型」を強化する「捨てる技術」
「獲得型」を考える上でもう1つ重要な視点があります。
パフォーマンスを上げてピーク状態に導いていくためには、試合中に注意を向けることをどんどん絞り込み、そこに集中する状態を作り出すことが非常に重要です。
この要素が、「捨てる技術」です。
「防御型」になるとミスをしないようにするために、あれもやらなければならない、という状態になりがちです。しかし、この状態では集中したプレーはできないです。
集中するということはやることや考えることを1点に絞り込むことです。
やるべきことがたくさんある中で、どれが一番重要なことなのか優先順位をつけ、その一番大切なことに意識を向けるために、他のことは思い切って捨てるのです。
人間は、もともと、その瞬間で1つのことにしか集中できないです。
自分の最高を引き出す考え方は身につけられる
これは、それ自体が目的であると感じている状態のことです。
将来における利益や見返りを期待するのではなく、行なっていること自体を楽しんでいるので、好きだからいくらでも続けられる状態です。
オートテリックパーソナリティを身につけている人は、自分がやっていることが目的のための手段ではなく、やっていること自体が目的になっています。
- クラスで一番になるために自主的に勉強するといった場合、目的はクラスで一番になることで、勉強は手段です。
一方で、その教科、例えば日本史をやっているうちに面白くなってきます。色々知りたくなり、その時代の制度を調べたり、関連図書を読んでのめり込むようになりました。それはその教科を勉強していること自体が目的になります。オートテリックな状態とは、このことを言います。
大人になってからも、自分が行なっているスポーツやビジネスに没頭している人を周りから見ると「どうしてそんなに頑張れるの?」と感じてしまうような人がいます。「何のためにそんなに頑張っているの?」と聞いても、「だって楽しいから」と答えるようなタイプの人です。
こうした人はまさにオートテリックパーソナリティを持っています。
では、同じようにスポーツやビジネスをやっていて、どうしてこのような考え方をする人と、そうではない人が生まれるのでしょうか。研究の結果、自分がやることを自分で決めているかどうかが違いを生んでいることがわかっています。
この自分がやることを自分で決める力を自己決定能力と言いますが、スポーツでもビジネスでもパフォーマンスを高めるためには、この自己決定能力を向上させることが非常に大切です。
自己決定能力には、次の5つの段階があります。
- 1つ目は「誰かに言われたから、やる」
多くの未経験者はここからスタートするものです。 - 2つ目は「やらないといけないから、やる」
初めは言われたからやっている状態でしたが、これはやらないといけない、というように自分で認識して動いている状態です。多くの人が、特に考えることなく、この段階で止まっているのが実状です。 - 3つ目は「重要だから、やる」
やっていることが自分のやチームにとって、どんな意味や価値があるのか、その重要性・必要性を理解し、自分からやっている状態です。 - 4つ目は「やりたい思うから、やる」
次第に目的達成に向けた意欲が高まり、ゴール達成のためにもやりたいことが出てきます。例えば、バッティング練習をしている選手が、変化球へのタイミングの合わせ方が苦手だと自覚し、それを克服するための練習方法を自分で考えて取り組んでいるような状態です。成功のために、自分の英語でのコミュニケーション能力を上げたいと考え、自分なりに勉強を始めているのはこの段階です。
- 5つ目は「楽しいから、やる」
「やりたいと思うから、やる」というステップを経たこの段階は、大きな違いがあります。第4段階までは何らかの目的達成のためや、評価されたり、報酬を受けるためといった外発的な動機づけがエネルギーとなっている割合が大きいです。それに対して、この段階は、今やっていること自体を楽しいと感じ、純粋にその内発的動機づけによって活動している状態です。
外発的な動機だけでは、いつかエネルギーが切れてしまいます。しかし、楽しいから、やる。という段階は、周りの環境に左右されないです。
まとめ
著者 布施 努(ふせ つとむ)】
- 自分がコントロールできるのは自分だけ
- 自分のスタイルを作ることは成功への必要条件
- 苦手なことも演じ続ければできるようになる
- 自分自身をしっかりと知る
- 自分のなりたい理想の姿を演じる
- 目標は「掲げる」のではなく「使う」
- チャレンジとスキルの最適なバランスを考える
- CSバランスが、瞬時のベストな選択を可能にする
- 勝つためにプレーする「獲得型」
- 「獲得型」だから「仮説→実行→データ」が回せる
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